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2020年5月21日 (木)

「長期ひきこもりの現場から」⑭ 「最初の壁」を越えられず、「世界最低妄想」に陥る

  

今日は令和2年5月21日。

  

今日は昨年の6月以来、久しぶりの教室での授業をしました。

テレビ番組を使った自分らしい授業ができました。

ちゃんとできる自分を確認しました。  

   

前日に引き続き、

ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)より引用します。

    

  

 成果のない支援に対して、幻滅を早々に抱く傾向が強いので、可

能ならほんの少しでもいいので、家族が少しでも手応えを感じるよ

うな、小さな変化を早い段階で実現したいところだ。

(230p)

  

ひきこもり・不登校への対応は焦ってはならないけど、

家族が幻滅しないような小さな変化を起こさなくてはならない。

ここが難しいけど、家族の立場ならそうだろうなと思います。

 

 最近、メディアによく”毒親”の文字が踊る。”毒親”とは”毒になる

親”の略語だ。

 もともとはアメリカのセラピストであるスーザン・フォワードが、

1990年代に書いた『毒になる親』という著作で世に出た言葉だ。

日本語訳も出ている。(中略)

 1章から3章までは、日本のひきこもり問題にも深く関わる考察

が並ぶ。第1章は”親の権威や方針は絶対であり、正義や正しさを押

しつける親”について書かれている。ここでは親は正しく、子供は無

力になって、悪い意味での”いい子”になってしまい、自立できなく

なる場合について書かれている。

(230~231p)

  

 

この”いい子”はいけないのです。

この”いい子”は自立していない。

この”いい子”は自分のやったことに責任をもたない。

この”いい子”を教師は見極めなくてはならないと思います。

  

  

 長期ひきこもりの人にとって、家族以外の第三者と関わりをもっ

たり、家庭以外の社会と最初に関わりをもつ「最初の壁」の高さは、

言葉に表せないほど高く、そして険しい。

 その時に気にしてしまうのは、自分はどう思われるか、どう振る

舞えばいいか、嫌われずにコミュニケーションをとるにはどうすれ

ばいいかーーなどだ。気にし始めると、常に最悪のことを考えてし

まう。そして、最悪のことが起こるにちがいない、と確信してしま

う。最悪のことが起きるとわかっているならどうすべきか。そう、

何もしないこと、外へ出ないことだ。

 そして何もできずにチャンスを逃したあとに去来するものは「自

分は世界で最低の存在なんだ・・・」という究極の自己嫌悪や自己

否定の念だったりする。僕が”世界最低妄想”と呼んでいるものだ。

 もちろん、最初の壁を乗り越えられない人のすべてが”世界最低妄

想”の持ち主というわけではない。すでに本書で紹介したように、最

初の壁を乗り越えられない理由は、ほかにいくつもある。ただ、こ

の壁は、すでに健やかに育って何の苦労もなく壁を乗り越えている

人には、まったく感じられないし、その存在も見えない。

 最初の壁にぶち当たってもがくひきこもりの当事者は、誰とも接

しない孤独な状態で自室で悩み苦しむ。孤独が続くかぎり、壁は乗

りこえられないが、当のひきこもり本人にはそれがわからない。

(244p)

  

最初の壁に突き当たって停滞している当事者に、

どうやってアプローチするかを、石川さんは書いています。

すごく参考になりました。

  

次の記事でうちます。

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