「絵でわかる地球温暖化」⑤/過去10億年の酸素濃度・オゾン層の緩やかな回復
今日は令和元年11月24日。
前投稿に引き続き、「絵でわかる地球温暖化」(渡部雅浩著/講談社)
より引用します。書き留めたいことがたくさんあります。
酸素濃度の変化をしましたこの図は、とても興味深いです。
約6億年前の酸素が大きく増えた時が、カンブリア爆発です。
このブログでもよく話題にしたカンブリア爆発です。
このとき(約6億年前)の生命の進化は海の中でのみ起こって
いました。それが、4.7億年ほど前になると、海中で光合成を
行うコケの仲間がより光を求めて浅瀬から陸地へ進出してゆきます。
陸上植物の誕生です。最初の両生類が陸上に現れるのが約4億年前
ですから、およそ1億年のあいだ陸地は植物と昆虫の世界だった
のです。この時代、シダ類の大森林が陸上に形成され、光合成に
よって酸素濃度が上昇し、約3億年前には現在の1.5倍にもなる
「濃い」空気が生まれていました。
ちなみに、約3.6億年前から3億年前の時代を石炭紀
(Carboniferous period)と呼びますが、これは森林が炭素を
取り込んで地中に堆積し、多くが石炭として固定されたことによります。
したがって、現在の温暖化の一因である石炭の消費は、この時代に
自然が大気から地中に取り込んだ二酸化炭素を再び大気中に戻している
ことになるわけです。
(37~38p)
こういう話は好きですね。
社会科と理科の境界線はないと思います。
これは「歴史」という分野ですね。
森林がなぜ石炭となったのか、また復習しておこう。
次はオゾンホールの話です。
オゾンの減少傾向がまがりなりにも止まったのは、特定フロン類を
規制することを決めた1987年のモントリオール議定書(Montreal
Protocol)が効果を発揮したためだというのが一致した見解です。
特に、1996年までに先進国がフロンの全廃を求めたことで、
2000年代のオゾンはやや回復を見せたと言われています。それでも、
オゾン全量はまだ少ないままで、実際に2015年にはオゾンホールの
記録更新が報告されました。
オゾン層が1980年代以前のレベルに戻るには、さらに40~50年
かかるというのが、多くの科学者の見解です。とは言え、モントリオール
議定書の成功とオゾン層の緩やかな回復は、人間が変えてしまった気候を
自らの手で復元させることが可能であるという好例で、同じように
温暖化を緩和・抑制することも可能であるという希望をもたらしてくれます。
(76~77p)
温暖化=人間が変えてしまった気候。
この考えは固まりつつあります。
つづく
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