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2019年11月25日 (月)

通算6700本目の投稿/「絵でわかる地球温暖化」⑥/「環境の変化に適応できない生き物はいつかは淘汰されていく」

  

今日は令和元年11月24日。

 

今日の朝日新聞朝刊の「天声人語」の書き出しは、

「ネアンデルタール人」でした!

ワクワクして読みました。

引用します。

  

 

天声人語

ネアンデルタール人の脳は私たちの祖先と同じくらいの

大きさだったそうだ。身体はもっと頑丈でたくましかった。

ともに生きていた時代もあったが、3万~4万年ほど前、

彼らは地球上から姿を消してしまった。▼どうして絶滅

したのか。専門家の間では諸説あるというが、筆者には

不思議で仕方がない。強い者が弱者を力で倒すこの世界で、

勝ち残るのはむしろ彼らのほうではなかったのか。▼

「じつは生命の歴史をみると、変化に適応できるのは強者

ではなく、変化に適応できる弱者のほうでした」。著書

『生き物の死にざま』などで知られる静岡大学教授の稲垣

栄洋(ひでひろ)さん(51)はそう教えてくれた。▼

私たちはつねに未来を意識し、いまを生きている。それを

可能にしたのは、弱さゆえに集団性を強め、その過程で仲間が

何を考えているのかを「想像する」という力を得たこと。

「想像は一人ひとりが異なります。その多様性が生き残りの

カギになったのでは」と稲垣さん。▼逆に言えば強い者は

その強さのために変化を望まず、多様化しにくい。恐竜も

ネアンデルタール人も。「強い者が勝つのではない。勝った

者が強いのだ」とは元サッカー西独代表のベッケンバウアーの

言葉だ。▼きょうは「進化の日」。160年前、進化論を

唱えたダーウィンが「種の起源」を出版した日にちなむそうだ。

環境の変化に適応できない生き物はいつかは淘汰されていく。

人類も例外ではない。その強くて弱き存在のあすを想像して、

しばし謙虚な気持ちとなる。

Rimg2132 ここでも道草 「人類誕生②ライバルとの出会い」その1/ネアンデルタール人とホモ・サピエンスだけが残った(2019年6月26日投稿)より

  

「環境の変化に適応できない生き物はいつかは淘汰されていく。」

ドキッとしました。

この話は。最近読んだ「絵でわかる地球温暖化」(渡部雅浩著

/講談社)の「適応」の話を思い出させました。

  

長い記事になってしまいますが、ここに引用します。

  

温暖化リスクの例として、豪雨頻度の増加を考えましょう。同じ

ように豪雨が増えても、排水設備やシャッター、警報システム

などが整備されている国とそうでない国では、実際の損害が大きく

違います。すなわち、温暖化のリスクは社会の備えによって減らす

ことが可能なのです。(中略)温暖化による災害をもたらす外力を

想定してこうした社会資本を整備することは、適応(adaptation)

と呼ばれる温暖化政策の一部です。

適応というのは、図8.3(省略)に示されたような悪影響を最小に

するためのすべての対策を指します。気温や降水量の変化を想定して、

農作物の栽培種や方法を変えることも、適応の一例です。

 

先日書いた、愛媛県でのブラッドオレンジがまさにそれです。

あの事例は、温暖化に適応していることになります。

続きを引用します。  

 

気象災害に対する備えは防災ですが、適応を考える場合、あるレベルを

超えるまれな災害外力に対しては設備で防ぐことをあきらめて損害を

最小化する(例えば100年に1回の河川氾濫には、それを防ぐ

高過ぎる堤防を作るよりも、堤が切れたときの避難体制を整えることを

優先する)という減災の考えも併用します。

  

今年の秋は台風15号、19号、21号に伴う雨の被害と起こってしまい。

堤防が多数決壊し、家屋や田畑が川に襲われました。死者がたくさん出て

しまった災害が実際に起こってしまった直後に「適応が遅かった」と

言うのは、私ははばかられます。

さらに引用。

 

文明社会と言うのは、多かれ少なかれ安定した環境のもとでこそ、豊かな

生産ができるように作られてきました。気温は環境の一部ですから、

社会は温暖化していない気候に対して適応してきた、ということも

できます。温暖化問題の多くは、気温が上がる、雨が増えるといった

環境の変化自体よりもむしろ、現状に適応している社会が変化する気候に

対して再び適応しなければいけない(そのためにコストも時間も労力も

かかる)ということにあるのです。

(172~174p)  

  

二酸化炭素の排出がこれ以後抑制されたとしても、温暖化の現状は残る

可能性が高いです。この本では、予想される変化を紹介しています。

世界では雨が降る地域にはより降るようになり、砂漠などの降らない

地域はより降らなくなります。北極海付近の気温上昇は高く、北極海の

氷は大幅に減少。グリーンランドの氷床も融けます。それらの氷が

解けることと、海も熱を吸収して膨張することで、海水面は上昇します。

日本でいうと、降る時は大量に降りますが、降らない時には何日も

続きます。台風は数が減る可能性がありますが、できた台風は強力に

なります。降らないと何日も降りません。

   

  

人間はこれから来る可能性のある新しい環境に適応しなくては

なりません。以前の環境のままで過ごしていると、適応できなくなり、

滅びてしまうのです。

  

これ以上環境を大きく変化させないように、温暖化を抑えることを

しなくてはいけないと思うようになってきました。それと同時に、

昔はこうじゃなかったと言うだけじゃなく、今の環境に適応して

行かなくてはと思います。

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