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2018年10月 6日 (土)

「40000回質問する」/若いころの知識にすがって生きるようになる

今日は10月6日。

  

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子どもは40000回質問する

(イアン・レズリー著/光文社)より引用していきます。

  

ヘンリー·ジェイムズは、年齢を重ねるごとに

 

「純粋な知的情熱」を失ってゆく人間の性を嘆いている。

 

「私たちはそれ[知的情熱]が飽和点に達すると均衡状態に移り、

 

ほとばしるような強い好奇心を抱いていた

 

若いころの知識にすがって生きるようになる」。

 

教育心理学者のスーザン·エンゲルによれば、

 

好奇心は早くも四歳ごろから衰え始める。

 

大人になると疑問をもたなくなり、

 

しだいに多くの固定観念に縛られるようになる。

 

ヘンリー·ジェイムズはそのことをこう表現した。

  

「打算のない好奇心は置き去りにされ、

  

知性のわだちや水路は固定されてしまう」

 

好奇心の衰えは、脳の発達過程に原因がありそうだ。

  

幼児の脳は大人の脳より小さいが、

 

大人よりはるかに多くの神経結合を形成している。

  

ところが配線は混沌としていて、

 

大人の脳に比べて神経細胞同士のつながりが非効率的だ。

 

したがって、幼児が外界を認識する能力は無限であると同時に、

 

ひどく無秩序である。

  

子どもたちは周囲の環境からさまざまな情報を集めながら、

 

有益かつ信頼性の高い法則を見いだし、

  

それが強化されて知識や信念となる。

  

その過程で情報が神経経路を伝わる速度は増し、

  

信号の受け渡しは円滑になるが、あまり使わない経路は退化していく。

  

庭に茂りすぎた草花が刈り取られるように、秩序が確立されていくのである。

 

(75~76p)

 

  

  

好奇心の衰えは必ずしも悪いことではない。

  

社会人として常識的に振る舞うには、

  

むしろ必要なことでもある。

  

好奇心に流され、次々とやって来る刺激に

  

いちいち反応するわけにはいかないからだ。

  

コンピューター開発の分野では、

  

設計者はシステムの効率を可能性の「探索」と「活用」の両面から考える

 

ーーーー未知の可能性をどこまでも探索すれば

  

システムの信頼性は高まるが、効率の観点からは、

  

発生する可能性が高い状況に的を絞り、

 

すでにある資源をできるだけ活用したほうがよい。

  

赤ちゃんは子ども時代を経てやがて大人になるまでに、

  

過去の探索によって獲得した知識を活用するようになる。

  

ところが歳を重ねると、活用するばかりになるーーーー

  

蓄積した知識や若いころに身につけた思考習慣に依存し、

 

知識を増やすことも、習慣を見直すことも少なくなる。

  

要するに怠け者になってしまうのだ。

 

(76p)

   

それじゃあ面白くない、最後はそう思って読んだところです。

 

 

自信過剰は好奇心を損なうが、

  

自信がまったくないときもやはり好奇心は働かない。

  

心理学者のトッド·カシュダンは

  

「不安と好奇心は相反するシステムである」と表現する。

  

恐怖は好奇心を押し殺す。

  

肉体的に、もしくは精神的 ひどく不安定な環境で育ってきた子は

  

学校で好奇心に欠けるように見えることがよくある。

  

生きるのに精一杯でそれ以外のことに意識を集中できないからだ。

  

そういう子どもは、誰が自分の味方で誰がそうでないかを判断し、

  

自分の世話をしてくれる大人や、あるいは世話をしてくれない

  

大人から最悪の仕打ちを受けずにすむ方法を考えなくてはならない。

 

それによって彼らの認知資源は使い果たされ、

  

探索を楽しむ余力がほとんど残っていないのだ。

 

(88p)

 

だれもが好奇心をもつとは思ってはいけない。

それどころではない子どももいます。

教師は子どもの状態を考慮しなくてはならない。

  

以前、ブログで、この本について書いたのは・・・

ここ ↓

ここでも道草 3種の好奇心/「拡散的好奇心」を「知的好奇心」へと移行させる(2018年9月17日投稿)

  

 

引用のつづきは、次の投稿で。

関心のあるインターネットですぐに回答が出る弊害について。 

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