「PL学園最強世代」からの引用その2.重度訪問介護
今日は2月5日。
前投稿に引き続き、
「PL学園最強世代 あるキャッチャーの人生を追って」
(伊藤敬司・矢崎良一著/講談社)からの引用です。
ある日のブログに、敬司はこんなことを書き込んでいる。
〈いろんなヘルパーさんがいるけど、
その中でも一生懸命にやってくれる人がいる。
ナニクソ根性がある。銭金で仕事をしていない人だ。〉
その時のメンバーが、今も敬司のシフトの主軸になっている。
彼らには、こうした言葉が何よりも活力源になる。
「最後は義理人情の世界です。やりがいです。
あの人は、身体が動かせないんです。
誰かが助けなければ生きられないのだから。」
(ヘルパーの)岡村は言う。そして、それだけではない。
心の中にあるこんな本音も口にする。
「僕も性格の悪いところがあって、他者のヘルパーが脱落していくなかで、
生き残れた自分がちょっと嬉しかったんです。
これだけ頑張っても、介護保険と重度訪問介護というのは報酬が倍以上違う。
そんなストレスを溜め込みながらも、
やれている自分に酔っていた面はあります。
まだ俺は残れているぞ、って。」 (190p)
ヘルパーの仕事が大変であると思った本でもあります。
「重度介護訪問」について全く知らなかったので調べました。
次のサイトが参考になりました。
※全国障害者介護制度情報 重度訪問介護で暮らすー難病ALS-
引用します。
重度訪問介護とは:
障害者自立支援法の中の訪問系サービス(ホームヘルパー制度)の一つです。
24時間の連続介護が必要な最重度の障害者に、
24時間連続してヘルパーを使う(8時間勤務のヘルパーが3交代で)事を
想定して作られた制度です。
もちろん1日16時間や12時間の利用をして、
残りは家族が介護ということも出来ます。
重度訪問介護は身体介護とは違って、
ヘルパーが障害者に呼ばれるまですぐそばで座って待つ
「見守り待機」もヘルパーの仕事となっています。
介護保険や障害者自立支援法の身体介護のヘルパーは、
決められた身体介護を1時間~1.5時間程度の短い時間に
さっとやり終えて帰って行きますが、
障害者自立支援法の重度訪問介護は、
同じヘルパーが最低8時間障害者のそばに座って待ち、
排泄や体位交換や文字盤や水分補給などを障害者に言われたら、
言われたときに即座に介護を行い、それが終わったら、
次に呼ばれるまでまた傍に座って障害者を見守りながら待機します。
外出の介護も重度訪問介護のヘルパーが行えます。
重度訪問介護を毎日使っている障害者はいつでも外出したい時に
ヘルパーと外出ができます。
たんの吸引や体位交換など、いつ必要になるかわからない介助内容の多い
ALS障害者等には、介護保険や少ない時間数を細切れに支給されると、
大変危険ですし生活の質にも支障が出ます。
その点、重度訪問介護であれば、安全に暮らせます。
ALSと重度訪問介護は深い関係があるわけです。
ただ介護保険と重度介護訪問の報酬の格差については、
この本の中で何度か出てきますが、まだよくわかっていません。
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