第一次世界大戦「イーペルの戦い」
今日は8月28日。
今晩もう1本投稿します。
7月2日放映の
「フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿
~愛と憎しみの錬金術 毒ガス~」を今日見ました。
主人公はフリッツ・ハーバー。
ずっと気になっている人で、ハーバーのことをやると知って、
録画しておきました。
このブログではここで登場↓
ここでも道草 フリッツ・ハーバー/根粒菌(2009年7月4日投稿)
この時には空気中の窒素を使って
アンモニアを製造する偉業についてでした。
ハーバーはこの偉業で、ノーベル賞を受けています。
しかし、ハーバーは毒ガスを作って戦争に加担した面もあります。
番組でもその部分が扱われました。
イーペルの戦いについてここにまとめてみます。
史上初の大規模な毒ガス戦が行われたのは、
イーペルの戦いでした。
時は1915年4月22日。100年前の出来事です。
第1次世界大戦の最中。
場所はドイツと連合国(フランス・イギリス・ベルギー他)が
激しくたたかった西部戦線にあるイーペル。
地図だとここです↓
連合国軍は、目撃しました↓
ドイツ軍の方角から黄色の煙が立ちのぼるのを見ました。
煙は地を這うように広がり、
やがて連合国の塹壕(ざんごう)に充満しました。
兵士たちは目を真っ赤に充血させ、おう吐し、
次々に倒れていきました。
兵士たちは何が起きたかわかりません。
戦場は恐怖と混乱に陥りました。
なぜなら、これが初めて大規模に毒ガスが使われた
戦場だったからです。
新聞にはこのように書かれました。
毒ガスによる死者5000人、中毒者1万4000人はとても多い。
ドイツ軍にとっては、毒ガスは成果があったというわけです。
なぜハーバーは塩素ガスを作ったか?
ハーバーは戦場で使う毒ガスに
次のような必要条件を考えていました。
①空気より重い
第一次世界大戦はお互いに塹壕を掘って敵の攻撃をかわしつつ
前進をもくろむ塹壕戦でした。
その塹壕に充満するためには空気より重い必要がありました。
②毒性が強いこと
③大量に入手できること
塩素は空気より重く、
空気1Lあたり19mgで人間を窒息死させてしまう毒性がありました。
そして当時の化学工業国ドイツでは、
石鹸などの製造過程で塩素が発生し、
使い道がなく大量に備蓄されていました。
大量に手に入る条件にも合致した塩素が選ばれたのです。
ハーパーはこの後も多種の毒ガスを製造。
最強のマスタードガスも作ります。
そしてマスタードガスを最初に使った戦場も、
1917年秋のイーペルでした。
この時の戦いでの死者は、両軍合わせて50万人!
とんでもない戦いだったようです。
イーペルの戦いが記憶に残った番組でした。
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