腸内細菌3.「腸内フローラ」聞き書き3.肥満にならない腸内細菌
今日は6月16日。
13日の投稿の続きで、2月22日放映の
「NHKスペシャル 腸内フローラ解明!驚異の最近パワー」
からの聞き書きです。
ナレーター:
腸内細菌が全身に影響を与える。
それを世界に知らしめたのは、肥満に関するある研究でした。
発表したのは、ジェフリー・ゴードン博士。(ワシントン大学 医師 生物学者)
腸内細菌の研究で、世界のトップを走る科学者です。
博士は大胆な実験を行いました。
ゴードン博士:
これはマウスの隔離装置です。
この中は外の世界とは完全に引き離されていて、
細菌一匹たりとも入れないようになっています。
ナレーター:
この装置を使って完全に無菌状態で育てたマウスに、
あることをして、特別なマウスを作りました。
助手:
人間の腸内細菌を移植したマウスです。
この子のお腹には、肥満の人の腸内細菌が入っています。
ナレーター:
研究では、肥満の人とやせている人の腸内細菌をマウスに移植。
そしてエサや運動量など、同じ条件で育てます。
すると驚きの結果が現れました。
脂肪の量の変化です。
やせた人の腸内細菌を与えたマウスは変化なし。
ところが肥満の人の腸内細菌を与えたマウスは、
どんどん脂肪が増え、太ってしまったのです。
ゴードン博士:
何度やっても、結果は同じでした。
肥満の人の腸内細菌をもらったマウスは、太るのです。
肥満の人の腸内では、ある種の細菌が少ないことがわかりました。
それが問題だったのです。
ナレーター:
肥満の人の腸内で、少なくなっていたのは、バクテロイデスなどの菌。
こうした菌に、肥満を防ぐ働きがあったのです。
いったいどうやって?
腸内細菌は、私たちが食べたものを分解し、それを栄養にして生きています。
その時、腸内細菌は、さまざまな物質を出します。
腸内細菌が出す物質が、
私たちの体に重要な働きをしていることがわかってきました。
バクテロイデスが出すのは、短鎖脂肪酸。
これが肥満を防ぎます。
その仕組みです。
もともと肥満は、脂肪細胞が脂肪を取り込むことで起こります。
血管を流れる脂肪を取り込み続け、どんどん肥大化することで、
太ってしまうのです。
バクテロイデスが出した短鎖脂肪酸が腸から吸収され、血管に入ります。
全身にはりめぐらされた血管を通して、体のすみずみまで運ばれていきます。
短鎖脂肪酸が、脂肪細胞に働きかけると、脂肪の取り込みが止まります。
余分な脂肪の蓄積を抑え、肥満を防ぐのです。
短鎖脂肪酸には、もう一つ別の役割があります。
筋肉などに作用し、脂肪を燃やす働きです。
脂肪の蓄積を減らし、消費を増やす。
全身のエネルギーのコントロールを、腸内細菌が行っていたのです。
短鎖脂肪酸以外にも、腸内細菌が出す物質が、
数多く発見し始めています。
そうした物質が、さまざまな効果をもたらしていることがわかってきました。
「薄毛予防」「肥満予防」「老化防止」「糖尿病予防」
「アレルギー予防」「貧血予防」「血栓予防」
「老化の予防」もそのひとつ。
肥満の秘密というか、肥満にならない秘密がわかった・・のかな?
食べても太らない人は、
そういう体質なんだと思っていましたが、
その体質というのが、その人の持つ腸内細菌を種類・量だったわけです。
老化防止については、また後日。
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