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2014年12月14日 (日)

「ハートネットTV 失った声で再現する」を見る2/保存した自分の声は、自分らしさの大切な一部です

  

今日は12月14日。

  

前投稿の続き。

  

ソフト「ボイスター」の利用者さんの一人 嶋守恵之(しげゆき)さん。

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2008年にALSと診断されました。

診断から3年後に気管を切開。今は人工呼吸器をつけているために、声が出ません。

手足を動かすことも難しくなってきましたが、

口の中にチューブを入れて、それを噛むことで、パソコンに文字を入力しています。

そのパソコンには「自分の声」というのがあり、

自分の声で意思を伝えています。

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41歳でALSであることがわかった時には、

「もうこれで人生は終わったと思いました」

「人工呼吸器をつけて充実した人生を送っている人のことも知っていましたが、

とてもそこまで考えられませんでした。」と思ったそうです。

  

そんな時に、声の保存を勧めたのは、妻の有子さんでした。

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有子さんが言います。

「声って個性があるじゃないですか」

「声がなくなるって、人間にとって大きなことなのかなと思って、」

「せっかくこういうもの(音声合成ソフト)があるのであれば、

補えるものは補えばいい(と思いました)」

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優子さんの勧めで、嶋守さんは声の収録をします。

2009年のことでした。

  

そして今は音声合成ソフトで「自分の声」で話すことができています。

嶋守さんはこう言っています。

 

「声を残してから、せっかく残したのだからと、生きる気力がわいてきました」

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残した声を使って生きていこうと考えるようになったわけです。

自分の声が生きる気力を生み出したのです。

よかった。

  

妻の有子さんが言います。

 

「声だけじゃなくて、その言い回しだとか、

本人の声で聞くと、あ、そうそう(嶋守さんの言い方だ)と思います。」

「普通通りの会話をしている気分になれます」「ホッとします」

ぬくもりまで伝えています。

  

嶋守さんが言います。

「声も表情も失われる中で、保存した自分の声は貴重な自分の一部です」

「声は自分らしさの大切な一部です」

「自分の声があるから、完全ではないけれど、自分らしさが保てていると思います」

  

ああ、「(保存した自分の)声は自分らしさの大切な一部です」という言葉は、

とっても深い言葉だなあと思いました。

ALSという過酷な状況をくぐり抜けて得た結論だけに、深い。

  

番組の司会者の説明。

この合成音声システムの利用者のうち、およそ4割の方がALS患者。

他にも咽頭(いんとう)ガン、喉頭(こうとう)ガンのような、

のどのガンを患った患者さんが利用しているそうです。

  

  

このシステムの問題点は、音声収録に患者にとって負担になるほどの

長時間が必要であることです。費用もかかります。

ゲストの国立情報学研究所准教授の山岸順一さんは、

その問題を克服のための活動をしていました。次の投稿で書きます。

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