「漢字は楽しい」その1・・・犬伏然
肉ばなれをしたため、ストックに助けてもらって歩いています。
山登りが趣味だと、ストックは何本もあり、困りません。
ストックがなくて歩くと、びっこをひいて歩くことになり、
大河ドラマ「風林火山」の主人公山本勘助みたいです。
しかし、左足の肉ばなれは不幸中の幸いなことに、自動車の運転には支障がないのがありがたいです。
運転に使うのは右足ばかり。
今日も運転して、娘の卓球大会への送り迎えをしました。
その運転中に赤信号で止まったら、すかさず読んでいた本があります。
白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい 小山 鉄郎 白川 静 文字文化研究所 共同通信社 2006-12-18 売り上げランキング : 3200 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
この本は面白かったです。赤信号で待つわずかな時間も読みたかった本です。
漢字の成り立ちを扱った本です。紹介したい内容はたくさんありますが、ここは「犬」に絞って書いてみます。
「犬は神への”いけにえ”として特に貴いものとされていました。ですから“犬”が出てくる漢字には”いけにえ”に関連した字がたくさんあります。」(103p)
「まず”伏”です。これは現代の字形でも明らかなように“人”と“犬”を合わせた形です。殷・周の時代の古い王墓には、墓を守るために、武人とともに地中の悪霊を祓う目的で犬が埋められました。これが”伏”の元の意味です。土に埋めることから、”かくす、ふせる、ふす”の意味が生まれたのです。」(103p)
もうこれだけで目から鱗状態です。しかし「犬」の話はさらに進みます。
「然」についてはこう書いてありました。
「”月”は“肉”のことで、犬の肉を火で焼いている字形です。つまり犬の肉を焼いて、そのにおいを神にとどける行為をあらわした文字で、肉が燃えるので”もえる”の意味になりました。だから、”然”は”燃”の元の字です。」(105p)
「然」がしだいに他の意味で使われるようになってきたため、「燃」が作られたというわけです。
「然」「燃」の「犬」は本当に犬でした。もうわくわくしてくる話です。
次は「臭」「戻」「器」と続くわけですが、次回の投稿に書きます。
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