本「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」⑤ コーダが主人公のドラマ・映画
今日は令和6年1月18日。
前記事に引き続き、
「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」
(丸山正樹著/文春文庫)より引用します。
〈それでは、あくまで、聴者はもちろん中途失聴・難聴者はろう者の
ことは理解できない、とおっしゃるんですね>
石黒はなおも食い下がっていた。
〈そうですね。ただ、一つだけ、例外的な存在がいます。「コーダ」
の場合です>
その言葉に、荒井はハッとして壇上の素子を見つめた。
〈コーダ、つまり「両親ともにろう者である聴こえる子」の場合、音
声日本語より前に、日本手話を自然に習得します。ろう文化も同様に
自分のものとします。たとえ音声日本語を話す「聴者」であっても、
本質的に彼らは「ろう者」であると言えます>
Children of Deaf Adults (ろう者の親の子ども)の略である
「Coda コーダ」 という呼称は、十四、五年前に米国から入ってきた
言葉だった。
それまで、「ろう者を親に持つ聴こえる子」のことを指す言葉はなか
った。言葉がないということは、存在しないも同じだ。ろう者の親か
ら生まれる子の多くは「聴こえる子」であるから、そういう存在は珍
しくないはずだった。 しかし荒井自身、自分以外のそういう子と接し
た経験がなかった。
(128p)
ここで出てきた「Coda」(ろう者の親の間に生まれた聴こえる子)
実はこのCodaが主人公の映画を、12月末と1月初めに2本見ました。
フランス映画「エール!」(2014年フランス)と
アメリカ映画「コーダ あいのうた」(2021年アメリカ)です。
「エール!」のリメイク版が「コーダ あいのうた」です。
それを比較した動画がありました。
これはありがたい。
YouTube: フランス映画『エール!』とリメイク映画『コーダ あいのうた』を比べてみた
概ね賛成意見です。
ただ。両方に出てくる音楽の先生に触れられていません。
両方とも個性的な俳優さんでした。
主人公の女子高生を羽ばたかせる重要な役。
クライマックスの歌の試験で、
慌ててやってきて楽譜を持ってきていない主人公。
伴奏者が楽譜がなくてはピアノを弾くことができないと言い、
試験官は、主人公にアカペラで歌うことを告げます。
そこに駆けつけてくれたのが、音楽の先生。
弾いてくれるんですね。
主人公のために。
緊張している主人公を落ち着かせるために、
最初はわざと引き間違えます。
主人公に合図して、「もう一度最初から弾きます」と言って
弾き始めます。
「エール!」をベースに、より感動的にしたのが
「コーダ あいのうた」だと思います。
おさらいです。
12月にドラマ「デフ・ヴォイス」の前編再放送の一部を見る。
↓
ドラマの評判がいい。
↓
原作を読みたいと図書館に予約。
↓
「デフ・ヴォイス」の主人公のようなCodaが主人公の映画が
あると知る。
↓
映画「Coda あいのうた」を観る
↓
映画「Coda あいのうた」は映画「エール!」のリメイクだと知る。
↓
映画「エール!」を観る。
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図書館で本「デフ・ヴォイス」を借りて読む。
↓
2月にNHKのドラマ「デフ・ヴォイス」(前後編)を観る予定。
↓
本「日本手話とろう文化」(木村晴美著/生活書院)を読む予定。
勉強の面白い流れができてきました。
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