「天魔の所業、もっての外なり」/等持院が登場
今日は令和3年4月15日。
この本を読みました。
「天魔の所業、もっての外なり」(岩井三四二著/淡交社)
最近室町時代に興味を持っていたので、この本を手にしました。
日野富子が、自分が産んだ義尚を将軍に就けたいと願うとともに、
将軍の母親になってみたいと願うところは、
人間味があっていいなと思います。
しかし、義尚が早死にすることで、
「将軍にすべきではなかったのでは」と悔いています。
「稀代の悪女」としては描かれていません。
普通の母親が思うように、富子は思って行動しているように思えました。
義尚の死んだ場面を引用します。
義尚は鈎(まがり)の陣中で没した。享年二十五歳。
死後すぐに、遺言のとおり鈎の陣は引き払われ、諸軍は義尚の棺を
守るようにして京へ帰還した。
都では多くの人々が沿道に軍勢の見物に出てきた。一条通に達した
ところで、棺だけが軍勢からはなれ、足利家の菩提寺、洛西の等持
院へ向かう。
このとき、棺についていた富子の輿から、あたりかまわぬ大きな泣
き声がもれてきた。その声はしばらく止まなかった。
周囲の知る者も知らぬ者も、これにはみな涙を流したと伝わってい
る。
(150~151p)
富子の泣き声にも感じるところがありますが、
「等持院」の登場で、俄然ワクワクしました。
※ここでも道草 等持院の空間を独り占めできました(2017年10月8日投稿)
ドラマ「遺留捜査」がきっかけで知った等持院。
実際に行った等持院。
小説の中での登場はこれだけでしたが、
引用して取っておきたいと思いました。
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