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2020年5月23日 (土)

「長期ひきこもりの現場から」⑯ 孤立するには最適の部屋だったのを変えた

  

今日は令和2年5月23日。

  

前日に引き続き、

ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)より引用します。

  

 

石川清さんの具体的手法を述べているところを引用します。

  

 長期ひきこもりが家族以外の第三者と関わるきかっけ

(中略)

 まず1点目は、声かけや手紙のアプローチが彼の心を揺さぶった

こと。

 僕は訪問してすぐに声かけをしない。ゆっくりと、本人の緊張や

恐怖を誘発しないように進める。それが功を奏したのか、手紙を読

んで、いずれ相談したいと思ったという。本人が受け入れてくれれ

ば、手紙はどんな声かけよりも効果がある。なぜなら、手紙は形と

して残るので、気が向いたら、いつでも読み直すことができるから

だ。

(248p)

  

シンプルだけど、後で読み直すことができる手紙はいいのです。

実践しています。

  

  

 2点目に”環境”へのアプローチのひとつがうまくいったこと。

 ひきこもりが深刻化したところで、家族で引っ越してもらった。

もともと2階建ての社宅に住んでいたので、そこから出て、フラ

ットなマンションに引っ越したのだ。社宅では、当事者は2階の

いちばん奥の、孤立するには最適の部屋に陣取っていた。しかし、

引っ越ししたあとのマンションでは、家族の努力で本人の部屋は

リビングに隣接する和室となった。入り口もドアから襖に変わり、

リビングから家族や、来客があったときなど他人の雰囲気を感じ

やすくなった。

(248~249p)

   

環境へのアプローチは具体的にこういうことなのでしょう。

石川さんは「路地の奥の家ほどひきこもりやすい」

とも書いていました。

ここでも道草 「長期ひきこもりの現場から」⑤ 路地の奥の家ほどひきこもりやすい(2020年4月13日投稿)

環境は、影響を与えるのです。

  

  

長期ひきこもりの人にとって、家族以外の第三者と関わりを

もったり、家庭以外の社会と最初に関わりをもつことを

「最初の壁」と石川さんは書いています。

この「最初の壁」を越えたとしても、長期ひきこもりの人には

「第二の壁」があるとしています。

  

 第二の壁は”成長”の壁で、ひきこもっている間に経験できなかっ

たことを、その後の人生でどれだけ追体験できるか、必要な知識や

経験をどれだけ獲得できるかが重要となる。よく学び、よく遊ぶこ

とで自分なりの他者との交わり方をどれだけ会得するかが重要だ。

(253p)

  

第一の壁を越えても、第二の壁があり、

上記のことを配慮しなくてはいけません。

長期ひきこもりに人だけでなく、

長く不登校だった生徒に対しても同じだと思います。

登校したら終わりではなく、そこから次の対応が必要です。

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