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2020年1月 8日 (水)

「本を読む人だけ」③ 自分のポジショニングや世界観を決めるために読書

  

今日は令和2年1月8日。

  

前記事に引き続き、

本を読む人だけが手にするもの

(藤原和博著/日本実業出版社)より引用していきます。

  

テレビ画面からは次から次と新たな情報が送られてくるため、

脳に入ってくる情報の意味を理解することで手いっぱいになる。

表層を理解することにとどまるのだ。

(48p)

  

テレビの残念なところを述べています。

テレビで教材研究してきたけど、

確かにそうだと思いあたることがあります。

そんなことはないとは言えません。

 

こうしたテレビの特徴をとらえて、カナダ出身のメディア学者

マーシャル・マクルーハンは「クールメディア」と呼んだ。

私たちが日常生活のなかで受け取る情報量の7割以上は、視覚

からの情報だという研究結果がある。テレビが視覚に訴えて現

実に近いものをみせてあげれば、視聴者はクールに納得しやす

いということである。

これに対して、ラジオは声と音しか聴こえないメディアだ。限

られた情報しか与えられなので、リスナーは想像力を大いにか

き立てられる。それとともに感情が刺激され、どんどんホット

になっていく。そのためマクルーハンはラジオを「ホッとメデ

ィア」と呼んだ。

こうしてみると、読書はラジオと同様に、言葉を頼りに想像力

をかき立てるメディアであるといえよう。なおかつ、読書は、

受動的にインプットするラジオとは異なり、能動的に情報を取

りにいかなければならない。「アクティブ・ラーニング(主体

的な学習)」に適したメディアなのだ。

(52p)

  

  

自分のやりたいことを実現させるうえで大切な、読書によって

身につく力がある。それは「集中力」と「バランス感覚」だ。

(53p)

  

  

バランス感覚とは、自分と地面(地球)、

自分と家族、自分と

他者など、世の中全体と自分との適切な距離感を保つことがで

きる能力のことである。

(55p)

  

  

スマホを持たせ、こども達がLINEなどをやることで・・・・

  

結果的に、ちょっと仲よくなると必要以上にベタベタした関係

に陥ったり、反対に、少しでも何かあると絶縁状態になったり

する。ゼロか100、白か黒、〇か×。微妙な「間」やグレー

な「距離感」というあいまいな状態がなくなり、極端な二者択

一の人間関係しか成り立たなくなる。

(57p)  

  

バランス感覚は、それ以降の世代(10歳以後)では、読書を

することで獲得することは可能だ。読書は、世界観を広げるこ

とに役立つ。読書をすることで他人が体験したり調べたりした

知識を獲得することが可能になり、自分の内なる世界観の拡大

に結びつく。

世界観が広がれば、さまざまな視点で物事や他人を見ることが

できるようになる。多様な視点を持つことは、バランス感覚を

磨くとともに、人格的な包容力や寛容の基礎にもなるだろう。

(57~58p)  

  

自殺や赤ちゃんポストに限らず、原子力発電所の是非や自衛隊

の役割など、世の中はそう簡単に決められない問題ばかりだ。

是が非か、正しいか正しくないかなど、両極端の意見から考え

て自分のポジショニングや世界観を決める必要があるはずだ。

そうした両極端の視点を獲得するには、本を読み比べることが

肝要だ。

しかし、本を読んでいない人は、その場で起こった問題に対す

る報道に右往左往するばかりで、視野狭窄(きょうさく)に陥

り、複眼的な視点を持つことなく安易な判断をしてしまうかも

しれない。上っ面を舐めただけで、底の浅いものになってしま

う危険性もある。

読書をすることで、人生という軸と世界観を鳥瞰図のように持

つことができれば、論理的な議論と判断ができるようになるだ

ろう。

(61~62p)

  

  

つづく

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