「なぜ『通じない』のか」③ はじまりは「問い」だった。
今日は令和2年1月5日。
前記事に引き続き
「あなたの話はなぜ『通じないのか』のか」
(山田ズーニー著/筑摩書房)より引用します。
問い発見の手段ーーー問いの100本ノック
用意するものは、いつもの筆記用具(紙とペン、あるいは、
パソコンなど)。
やり方はシンプル、テーマについて「問い」を100個つくる。
できるまでやる。
(65~66p)
これは教育の「発問づくり」でも言われていること。
共通しています。
3つの軸で視野を拡大する
次ページの図のような3つの軸でエリアを広げ、問いを立てる
のも手だ。
ななめ上へと伸びた線が、過去→現在→未来へとつづく「時間
軸」。楕円は、身のまわり→日本社会→世界へと広がる「空間
軸」。そして中央の人型は、自分とは?人間とは?を掘り下げ
る「人の軸」だ。テーマをこの上にのっけて問いを立ててみよ
う。(68p)
日常の事件にも、ちょっとした出来事にも歴史があり、歴史を
知らなければ、私たちは問題を論じることができない。なのに、
芸能人の離婚問題から、国際問題まで、歴史背景を知らないで
ものをいう人が多いのはなぜだろう。
(72p)
共感します。
「考える力」の基礎力は3つある、問題発見力、多角的考察力、
論理的思考力だ。というなんだかすごそうだが、ひらたく言う
と、問いが立つ、いろんな方面から立つ、そして問いを筋道立
てて配列できるということだ。
「問題発見力」とは、文字通り「問い」を発見する力だ。「お
や?なぜ?」と問いが立ち、「いま何が問題か?」、解決につ
ながる良い問いを発見する力のことだ。ミステリーで名探偵は
首ばかりひねっている。「おや?おかしいですね、犯人はどう
して靴を脱がなかったんでしょう?」「こんな薄い壁なのに、
隣の人はどうして、被害者の叫びを聞いていないんでしょう?」
あんな感じだ。しかも一見してどうでもいいような疑問ばかり。
ところが、それを調べていくうちに、謎が謎を呼び、事件の核
心に迫る問いに行き当たり、見事難問を解決する。一方、石頭
の警部は最初から「わかった!犯人は」と正解を急ぐ。問いが
働かない代わりに憶測、先入観、決めつけが働き迷走する。名
探偵のように「問い」を見つける力は、すでに本書で触れた方
法で鍛えていけばいい、大丈夫だ。
(76~77p)
この例えは、わかりやすく楽しい。
私は、企業で小論文担当になったとき、課長に、「小論文とは
何か?」を考えてほしいと言われた。当時の自分には大きすぎ
る問いだったが、私は、ずっとこの「問い」を胸に抱き、10
年後に結実した。いまも、この課長のことを忘れない。
はじまりは「問い」だった。
(81p)
格好いいですね。でも「いい社会科の授業とは?」
「いい特別支援の授業とは?」「タブレット端末をどう
授業に活かすか」などは、私の頭にこびりついている問いでは
あります。この問いは大事にしていきたい。
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