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2019年1月21日 (月)

「アイデアはどこから」その2/脳を「24時間循環風呂」状態にする

 

今日は1月21日。

  

前投稿に引き続き、

本「アイデアはどこからやってくるのか 考具 基礎編 

(加藤昌治著/CCCメディアハウス)より引用します。

 

 

アイデアパーソンとしてアマチュア、そしてプロフェッショナルの

違いがハッキリと分かるシーンがあります。

それは既存の要素、体験と知識の使い方です。

アマチュア、あるいはプロに成り立ての方々は、

手にした知識や体験をすぐさま、そのままにアイデアとして

使いたがる。使うことは悪くありません。

ベテランだって使います。

違うのは加工の仕方、というんでしょうか、

いわゆる「ひと捻り」のアルナシです。

  

アイデアの初心者は、昨日見た自分にとって新鮮だった体験を

そのままアイデアだとしてしまいがちです。

土曜日に家族で行ってきたサーカスが面白かったから、

次のイベントはサーカスをやりましょうよ、みたいなパターンですね。

(中略)

ベテランは少々違います。

感動したサーカスを触媒にして、すでに自分の中に蓄積されていた

既存の要素を呼び起こす作業を

(ほとんど自動的に)やっているはずです。

さらにサーカスが感動を呼ぶ原因や要素を分解して、

肝腎なものだけを取り出そうとするでしょう。

(結果、サーカスというアイデアになることも含めて)

何にしても、自らのストックを掘り起こしてゆくステップを

踏んでいくのが特徴です。

新旧いろいろありますが、とにかくアイデアは

「すでに知っていること」からやってくるのです。

(77~79p)

  

  

長く引用しましたが、大事なのは「ひと捻り」だと思います。

いいと思っても、すぐには答えを出さずに、

自分の知識の中に一度含めて考えろということです。

これも教員の体験の中にもあります。

他の先生の実践を見て、いいと思って自分の教室でやっても、

思ったよりもうまくいかない体験。

「ひと捻り」が足りなかったのでしょう。

  

  

体験にしても知識にしても、いくら記憶として収納しても、

いざというときに引き出してこられないならば意味がありません。

それぞれの記憶(直接体験、間接体験と知識)が

どのタイミングで必要になるのかまったく分かりません。

また、そのときに何がアイデアのヒントになるのかも

正直見当もつきません。

アイデアの世界はどうにも混沌しているのが実際です。

わたしたちにできそうなことといえば。

①できるだけ頻度が高く、

 それぞれの体験や知識を脳裏に思い浮かべること

②それぞれの体験や知識に複数のアプローチで

 たどり着けること

(86p)

  

この発想がすごいなと思います。

続きをさらに引用します。

  

名メジャーリーガー、トニー・グウィンは

「春のキャンプはマッスル・メモリーを呼び覚ますために行うんだ」

と語っていたそうです。プロアスリートになっても、

忘れずに基礎練習を繰り返している理由が分かります。

カラダは覚えているけど、忘れもする。

絶えずカラダを動かし続けていることで、

いつでも試合に出られる状態にしておくのです。

 

理想をいえば、脳はいつでも24時間循環風呂。

誰かが入っていようといまいと、

お風呂の中でお湯をぐるぐるとかき混ぜながら、

新しいお湯はそのままに、

古いお湯もきれいにしながら対流させている。

お風呂の表面(そのときの顕在意識)に、

いろいろな記憶が押し出されていくように。

  

そしてそれぞれの体験、知識は芋づる式ではなく

(1本の蔓だけでつながっているようなイメージありませんか?)、

「網づる式」で四方八方につながっている。

網のどこかに重みがかかれば、網全体がボヨンと揺れる。

しぶとい記憶、とでもいいましょうか。

同じネタであってもリピートして構いません。

組み合わせる相手が違えば、別のアイデアになるんですから。

  

特にアイデアを迫られていなくても、

そんな状態にスタンバイできていたら素晴らしいことですね。

(87p)

  

アイデアというと、比較的新しい知識がきっかけになって

浮かんでくるというイメージが私にはありました。

それは「最近の自分」だけで生まれてきたアイデアであって、

薄っぺらいもののように思えていました。

「今までの自分」「過去の自分」が役に立っていないのが

寂しいと思っていました。

でも脳が「24時間循環風呂」状態ならば、

「最近の自分」だけでなく、「今までの自分」も利用しての

アイデアづくりとなるわけです。いいじゃないですか。

 

こんな発想を考えた作者に驚きです。

  

まだまだつづく。

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