「疲れない脳をつくる生活習慣」引用3.家事もマインドフルネス
今日は10月15日。
10月2日に引き続いて、
「疲れない脳をつくる生活習慣」
(石川善樹著/プレジデント社)より引用します。
今日、この本は図書館に返すので、頑張ろう。
弱い刺激を受け取る力
わたしは、脳を鍛えることを説明する時に、
味覚のたとえをよく使います。
味覚を鍛えようと思ったら、何をすればいいか。
調味料がたくさん入った味の濃い料理ばかりを食べていたら、
舌が鈍感になってしまいます。
塩分を控えめにした味噌汁やスープなど、
味が付いているのかどうかわからないぐらい薄味の料理を食べる、
あるいはドレッシングをできるだけ少なくして
野菜そのものを味わうことを心がけると、
かすかな味に気づこうとして、
味覚はどんどん繊細になります。
つまり、味覚を鍛えるためには、刺激は弱くなければいけないのです。
脳にも同じことがいえます。
ハリウッド映画のような刺激の強い情報を受け取ってばかりいると、
脳は能動的に働かなくなってしまいます。
ここで先述した「集中瞑想」を思いだしてください。
集中瞑想では、呼吸に注意を向けます。
呼吸という何気なくやっている行為に対して
能動的に注意を向けることは、
非常に弱い刺激をとりに行くトレーニングになるからです。
ふだんの生活では、自分がうまく呼吸できているか、
深い呼吸ができているか、といったことを考えることは
ほとんどないでしょう。
でも、瞑想を続けていると
「あれ?今日の呼吸はなんかいつもと違うな」ということを
感じるようになります。
こうしたかすかな変化感知する能力が、
脳を鍛えていくうえでは決定的に重要なのです。
(48~49p)
6時間睡眠の悪影響
みなさんの睡眠時間は1日どのくらいでしょうか。
睡眠時間の統計はさまざまなものがありますが、
社会人の場合、だいたい6~7時間が平均的です。
おそらく組織の第一線で活躍している社会人の場合、
6時間未満の人も多いと思います。
6時間と7時間では、たかが1時間の違いと思うかもしれません。
ところが、予防医学の見地からすると、7時間の睡眠が理想的で、
6時間睡眠では脳に深刻なダメージを受けることがわかっています。
6時間睡眠には2つの大きな悪影響があります。
第1に、6時間睡眠の人は、7時間睡眠ほ人とくらべて、
脳の老化が2倍のスピードで進むという研究結果が出ています。
第2に、6時間睡眠が続いて睡眠不足がたまると、
お酒を飲んでほろ酔い状態と同程度の認知機能になります。
とはいえ、「そんなこと言われても、忙しいんだから寝る時間を
るのは仕方ない」という言い分もあるでしょう。
しかし、実際は因果関係が逆転している可能性があるのです。
つまり、睡眠時間が短いから、高いパフォーマンスで仕事ができず、
忙しくなってしまっているーー。(中略)
睡眠は脳のパフォーマンスや疲れに
決定的な役割をはたしているのです。 (56~59p)
不眠の3症状とは
こういう話をすると、必ず「世の中には、1日4時間ぐらいの睡眠でも
平気なショートスリーパーがいるじゃないか」と反論する人がいます。
たしかに適切な睡眠時間には個人差があります。
適切な睡眠時間は、年齢によっても変わってきます。
厚生労働省のガイドラインによると、
25歳から45歳までは約7時間、
45歳から65歳までは6時間半、
65歳以上は6時間ぐらいが適切な睡眠時間です。
つまり、年をとるにつれて適切な睡眠時間は減ってくるわけです。
では、適切な睡眠時間を知るにはどうすればいいのでしょうか。
ひとつの目安は、「日中に眠くならない」ということです。
仕事中にうとうとしたり、頭がぼんやしたりする人は、
おそらく睡眠時間が足りていません。
さらに、睡眠は「量」だけでなく「質」が非常に重要です。
まず、自分が次の「不眠の3症状」に当てはまるかどうか、
チェックしてみましょう。
①入眠困難・・・なかなか寝つけない
②中途覚醒・・・寝ている途中で起きてしまう
③早朝覚醒・・・起きたい時間より早く目が覚めてしまう
いずれかに心当たりのある人は、睡眠の「質」が低く、
脳が上手に休めていない可能性があります。 (61~62p)
「理想の教育方法」が教えてくれること
(中略)
子どもの教育にとっても姿勢をよくすることは決定的に重要です。
最近の子どもは、早い時期からゲームや
スマートフォンで遊んでいるため、幼くして猫背になりがちです。
そのため、小学生でも肩こりや腰痛に悩まされている子どもが
多くいるといいますから事態は深刻です。(中略)
姿勢のよしあしは、勉強するときの集中力に大きな影響力を与えます。
ときどき保護者の方や子どもたちから
「どうすれば頭がよくなりますか」と尋ねられることがあります。
迂闊なことはいえないので、いろいろと調べてみた結果、
自信を持っていえるのは「姿勢をよくしましょう」ということだけです。
(中略)猫背になると横隔膜を使うことができないので、呼吸が浅くなります。
呼吸が浅いと、十分な酸素が体にも脳にも行きわたらないため、
頭がボーッとして、集中力が低下してしまうのです。 (後略)
(96~98p)
仕事中心の生活を続けるかぎり、脳は疲れていく一方です。
食事中も、料理を味わうことなどそっちのけで、仕事のことばかり考えている。
スマートフォンやパソコンで、メールをチェックしたり、
ネットニュースを読んだりしながら食事をする。
仕事やつきあいのために、起床や就寝時間が一定せず、
生活リズムが不安定になってしまう。
こうした食事や睡眠を犠牲にする生活を続けていては、
脳のパフォーマンスは決してよくなりません。
むしろ、日に日に脳も体もすり減ってしまいます。
そこでわたしが提案したいのは、「仕事中心の生活から卒業する」ということです。
そうすることによって逆に効率的に仕事ができるようになるのです。
仕事は、家事にくらべて終わりがハッキリしていません。
続けようと思えば、いつまででもダラダラと続けられてしまう。
その結果、長時間働く毎日が続いてしまうと、長期間働く元気がなくなっていきます。
(140~141p)
生活のなかのマインドフルネス
第1章では、瞑想のトレーニングを取り入れた「マインドフルネス」が
世界中を席巻しているという話をしました。
マインドフルネスの定義は、「いまここでの経験に、評価や判断を加えることなく、
能動的に注意を向けること」です。
抽象的な定義なので、ピンとこない人もいるかもしれませんが、
であれば、「無我」や「主客未分」と説明すると、腑に落ちると思います。
たとえば、オーケストラの演奏者を考えてみましょう。
楽器を習ったばかりの人は、演奏中に
「うまく演奏できているだろうか」とか「失敗したらどうしよう」といった
余計な判断を加えてしまいますが、一流の演奏者は、
自分と楽器のみならず、楽団や聴衆とも一体化しているような感覚で
演奏することができるといいます。
つまり、余計な自我が演奏に顔を出してこないのです。
たとえて言えば、マインドフルネスとはこのような状態です。
「能動的に注意を向ける」という定義からは、
「自分」や「自我」が強く感じられるかもしれませんが、
集中力が高まっているときには、集中していることすら意識しません。
ですから、たとえ演奏中にわずかなミスをしたという事実だけを受け入れて
集中力を持続できるわけです。
このように考えると、日常的な活動のなかにも、マインドフルな状態、
無我の状態になっている場面は数多くあります。
とくに家事の多くは、マインドフルになりやすいのではないでしょうか。
掃除や皿洗いはある程度決まった手順で手を動かす作業なので、
行動に没入しやすいところがあります。
掃除をした後にスッキリするのは、部屋がキレイになったことに加えて、
脳がマインドフルな状態になっているせいだと考えられます。 (144~145p)
世の中に数多く出ている自己啓発な書籍は、
「考え方を変える」ことによって、ポジティブな自分をつくり上げようとするものです。
しかし、それは脳にとって至難の業です。 (中略)
本書は、極端な意識改革を訴えてはいません。
瞑想トレーニングやマインドフルネス・プログラムが目指すのは、
言ってみれば「注意の向け方を変える」ことです。
あちこち拡散してしまいがちな注意を、目の前の対象に集中させる。
刻一刻と移りゆく自分の状況や状態を、上手にモニタリングする。
人間はそうは変わることができません。
ならば、変わらないことを受け入れたうえで、
余計な情報や雑音に惑わされずに対処できる力を身につければいいのです。
(158~159p)
以上です。
たくさん引用しました。
読後、しばらく時間が経ちましたが、今でも覚えていた部分は、
全て書きました。
いやいやもう一つ。
マインドフルネスを導いてくれるアプリを紹介してくれました。52pです。
7分~8分の瞑想ができましたが、
担任している子どもたちには長すぎました。
よし、これで本を図書館に返しに行ってきます。
コメント