映画「ブラインドサイト」3・・・盲目の人の登山
今日は4月29日。
前投稿のつづき。
映画「ブラインドサイト~小さな登山者たち~」(2006年)のこと、3本目の投稿。
盲目の人が山に登っても景色は見えません。
面白いのかなと思います。
その答えが映画の中に出てきます。
盲目の少年の一人が語っています。
普通の人が山に登れば、どこまでも見渡せます。
でも見えない僕らは、広がる景色を想像して、心を豊かにするのです。
「心を豊かにする」と訳していましたが、本当にそう言ったのかな。
いいこと言います。
目が見えないと、想像力を使います。
絶え間ない想像力の世界です。
におい、触感、音からすべてを想像します。
時々立ち止まって、そういう感覚を使って楽しむのです。
これが盲目の人の登山の楽しみ方。
なるほどと思いますが、目の見える人との決定的な違いがあると思います。
頂上が見えるか見えないか。
この違いが、登山に臨む態度に違いを生じさせるのではと考えます。
(エリックは別格かな)
サブリエの不満が出てきます。次のように語っています。
子どもたちも言いました。
ただ歩いて登るだけでは面白くないと。
話をしたり、物語を考える時間もなく、嗅いだり、聞いたりする暇もない。
つららが落ちる音、それぞれ違う音がする(荷運びをする)ヤクのベル、素晴らしいのに。
これでいいのかと思います。
目標は「全員で頂上」でいいのか。
本当に子どもたちのための登山なのか。
何かを誇示するための登山になっていないかと。
難しい。
エリックと、盲目の少年少女の登山をサポートする人たちは、
全員を頂上に連れて行き、達成感を味わわせたいと思っていました。
少年たちの中にも、登ったということで、自分たちに自信を持ちたいと思っていた子もいます。
しかし、サブリエの考え方は微妙に違います。
本当はこの違いを、登山前に十分話し合って理解しておくべきだったのでしょう。
登山の最中に、何度か論争があり、カメラは映像としてとらえ映画に含まれます。
目が見える見えないという感覚の違いは、考え方の違いを生じさせます。
理解しあうためには、コミュニケーションが大事なんです。
映画はその様子を描いたとも言えます。
両者の中間に立つのが、エリックかなと思えました。 (つづく)
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