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2010年5月 2日 (日)

ワーグナーとヒトラーと小泉首相

音楽のことをもう一つ。

連休の始めで時間があることをいいことに、

以前から書きたいと思っていたことを書きます。

      

リヒャルト・ワーグナー(1813~1883年)という作曲家・指揮者がドイツにいました。

Large_145    

   

    

    

     

   

ヒトラーがワーグナーに心酔し、

音楽も考え方も愛したようです。

ワーグナーの反ユダヤ主義の考え方を具現しようとしたのがヒトラーだったという説もあるようです。

ヒトラーへの影響力大だった人です。

       

ワーグナーの作品を年に1回、大々的に演奏される場所があります。

バイロイト市です。

1876年にバイロイト祝祭劇場が完成。

それ以後、ワーグナーの曲が上演されてきました。

バイロイト音楽祭と呼ばれました。

ヒトラーは国を挙げて、このバイロイト音楽祭を庇護しました。

    

ヒトラーが自殺して、ナチ政権が崩壊した戦後のドイツでは、

ヒトラーとの結びつきが強かったバイロイト音楽祭は中断されていました。

バイロイト祝祭劇場の関係者が、ナチ政権に協力したと見られていたからです。

   

バイロイト祝祭劇場はワーグナー家の人たちが経営してきました。

戦時中に経営していた人たちが交代することで、

1951年からバイロイト音楽祭が復活しました。

しかし、ドイツの首相が、この音楽祭に出席することは長くありませんでした。

なぜか?

    

その理由と、首相が戦後初めて出席したいきさつを、

「カラヤンとフルトヴェングラー」(幻冬舎新書)より引用します。

日本がかかわっていてビックリしました。

     

ドイツでは、首相としてバイロイトに行けば、

必ず「ヒトラー以来初めて」と報道される。

歴代のドイツ首相は、そうなることを避けてきた。

戦後のドイツ首相がこの音楽祭に初めて出席するのは、

再開から半世紀以上過ぎた2003年のことだった。

日本の小泉首相が本場でオペラを見たいという理由で

政府専用機を飛ばしてヨーロッパを歴訪した際の、

あのバイロイト訪問時である。

日本の首相を出迎える以上、

ドイツもシュレイダー首相が行かなくてはならないという大義名分が立った。     

こうしてバイロイトの戦後は、21世紀になってようやく終わったのである。

(229-230p)

      

小泉首相の行動は、ドイツの歴史に大きくかかわっていたのです。

知らなかった!

小泉首相が音楽の本を出していました。

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その本の書評に、上記の出来事の裏話が書いてありました。       

※参考http://homepage3.nifty.com/giacomo/20090405h.htm

     

カナダでのサミットの帰路、

ドイツが勝ち残ったワールドカップ決勝に間にあうよう

首相特別機にドイツのシュレーダー首相を同乗させたのが縁で、

返礼にバイロイト音楽祭に御招待を受ける。

     

イメージとしては、小泉首相が見たいと思って出かけたと思っていました。

招待を受けて行くことになったのかな?真相は?

こういう話が楽しい。

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