天声人語/108年前のクリスマス休戦
今日は令和4年12月26日。
昨日の朝日新聞朝刊「天声人語」の引用です。
反戦の願いを込めた絵本をつくっていたら、本当の戦争が起きてし
まった。絵本作家の鈴木まもるさん(70)は今年2月、ロシアの
ウクライナ侵攻に衝撃を受けた。色鉛筆を使い、暖かみのあるタッ
チで描いた『戦争をやめた人たち』は、ほぼ完成していた▼鳥の巣
研究家でもある鈴木さんを静岡県下田市郊外に訪ねた。まきストー
ブが置かれた仕事場に、無数の鳥の巣が並ぶ。これまでの作品では
鳥や動物など「いのち」を多く扱ってきたが、対極の「戦争」をい
つか描こうと決めていたそうだ▼同作のテーマは、第1次世界大戦
中に欧州の西部戦線で実際にあった「クリスマス休戦」だ。1914
年のイブから翌日にかけ、塹壕で「きよしこの夜」を歌ったのを発
端に、敵対する独英両軍の兵士らが武器を置き、つかの間の交流を
した▼手作りのボールで興じたとされるサッカーの場面で、物語は
最高潮に達する。締めくくりは「たくさんの生命が生きているのが
地球という青い星なのです」としたが、ウクライナ侵攻で「もっと
適した表現がある」と感じた▼新たな戦争が始まったと書くか。未
来につながる言葉はないか。下書きには、何度も書いては消した跡
があった。悩んだ末の結びは「この星に、戦争はいりません」。多
様な民族衣装で手をつなぐ人々を、鳥や虫が囲む▼鳥の巣と絵本に
は卵や子どもを守り育てる共通点がある。108年前の「奇跡」を
読んで、小さな生命を守ることすら難しいウクライナの戦場を思う。
何からいこうか。まずはこのサイト。
※東京新聞 戦争は、いらない 「クリスマス休戦」 絵本に共感広がる
サイトに絵本の表紙の写真が載っていました。
確かに暖かみのあるタッチです。
手に取ってみたい絵本です。
来年手に入れて読もう。
2014年の記事でした。
100年前に「クリスマス休戦」があったことを伝え、
兵士の手紙が紹介されていました。
これ以上ないほど風変わりなクリスマスを過ごしました。塹壕の外
の世界にいたのなら、きっとこんなクリスマスは過ごせなかっただ
ろうと思っています。クリスマスイブはずっと、いつもどおりの銃
撃戦が、夜のあいだも相変わらず続いていました。ところが、明る
くなり始めてすぐに、双方の銃撃が少しずつおさまっていき、日の
出までにはすっかりやんでしまったのです。
そのまったくの沈黙は、とても奇妙なものでした。「この双方によ
る合意が、全面的な休戦に変わるのではないか」と考えずにはいら
れませんでした。そして、本当にそうなったのです。宙を飛び交う
銃弾がなくなったことに勇気づけられて、どちらの側でも、すぐに
兵士たちがぴょこっと頭を出しはじめ……
現場にいた兵士の声は説得力があります。
「この双方による合意が、全面的な休戦に変わるのではないか」
兵士は戦争が終わってほしいと思っているのです。
命をかけるほどの戦争だとは思っていなかったのかも。
そんなゆるいムードが、この奇跡を生んだのでしょう。
でも、この休戦は終わってしまい、戦争は4年続きました。
もうクリスマス休戦はなかったのです。
これも2014年の記事。
動画が紹介されていました。
YouTube: 1914 | Sainsbury's Ad | Christmas 2014
クリスマス休戦を映像化したものです。
映像の力は強し。
こんな様子だったんだろうなと想像させてくれます。
イギリスの大手スーパーマーケットのセインズベリーが
再現した映像とのこと。なんとこれはCMです。
2014年発表の時には、大評判になったようです。
※newreel イギリスのセインズベリーズのクリスマスCMに クリスマス精神が戻ってきたと話題
☝ このサイトはこのサイトで、じっくり見てみたいサイトです。
最後にこのサイト。
この休戦はヨーロッパ諸国が自ら始めた悲劇の真実を
まだ受け入れられていなかったことを示している。
まだこの戦争は大ごとにはならないと思っていた証拠というわけです。
その後、戦争は拡大し、クリスマスになっても休戦に至りませんでした。
もうそんな甘っちょろい戦争でないと認識したのでしょう。
ロシアによるウクライナ侵攻。
クリスマスでも砲撃は続いた。
もう「クリスマス休戦」が起こらない戦争になってしまっています。
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