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2020年5月 5日 (火)

「長期ひきこもりの現場から」⑪ ”優しさ”と”温もり”と”流されない厳しさ”のバランス

  

今日は令和2年5月5日。

  

前々日の続きで、

ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)より引用します。

⑪まで行くのは珍しいけど、まだ続きます。

  

当事者と家族の話です。

  

 埼玉県北部K市の立花さん一家も”忖度家族”だ。ハルキ君(27)

はもう10年ほどひきこもっている。高校を中退してからひきこも

ったのだが、両親ともに息子がひきこもったのは、「親である自分

たちの育て方がまちがっていたからだ」と思っている。父親が言う。

「私も妻も共働きで、子供を早くから保育園に預けてしまい、子育

てに預けてしまい、子育てに時間を割けませんでした。今も何かあ

ると、そのことを子供に指摘されます。親としても自覚があるだけ

に、言い返せなくなってしまって。結局、子供の言いなりになって

しまいます。それに、先日まであるひきこもりの支援団体に相談に

行っていたのですが、そこでは”子供の要求には、どんなことがあ

ってもできるだけ応えてあげてください”と言われましたし・・・」

 ひきこもる子供の要求には何でも応えなさいーーーとは、状況に

よっては、たしかに効果はある。たとえば、親が子供の声をまった

く聞かず、抑圧や虐待すれすれの育児を繰り返した場合(まだひき

こもり問題の深刻さが理解されていない2000年前後やそれ以前

のひきこもりの親には、よく見られた)や、ひきこもり中の子供の

言動の荒れ方がとにかくひどいとき、それにひきこもりの子供の症

状が軽くて、人間的に年相応に成長しているときなどである。

 しかし、それでもあくまで緊急避難的な措置で、子供が未成熟な

状態のまま、子供の要求に応え続けていると、依存や逃避などの問

題が新たに生じることがある。たとえば最初にたくさんの小遣いを

渡しておいて、のちに小遣いの額をカットしようとしても、既得権

と化してしまって、変更は難しく、家計が破綻するおそれもある。

買い物や手続き関係など何か面倒くさいことがあると、すべて親に

代わりにやってもらおうとして、子供が生活力を身につけられなく

なることもある。

 子供を温かく見守るのは大切なことだが、過保護や過干渉がすぎ

ると、かえってひきこもり状態を長引かせたり、こじらせてしまう

から注意が必要だ。

 逆にスパルタ的にただ厳しく対応するだけなのは、さらにひきこ

もり問題を深刻化させてしまう。”優しさ”と”温もり”と”流されない

厳しさ”のバランスが重要だ。ひきこもりと孤立状態が長引くと、親

も子供も、このバランスがとれなくなってしまう。

 立花さんの家の場合は”課金地獄”に陥った。

(217~219p) 

  

う~ん、引用がどうしても長くなってしまいます。

結論は太字のところだと思いますが、先の文章がないと、

後日読んでも理解が十分できないと考えます。

 

立花さんのような家族と接するかもしれない。

石川さんの体験談は、希少であるので勉強になります。

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