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2020年4月22日 (水)

「世界」(2020年5月号)③ 「スクープ」の対極は「忘却」

  

今日は令和2年4月22日。

  

私のブログのアクセス数は平均約220/日です。

4月に入ってほぼ毎日平均を上回り、

最近は400を越えます。

皆さん、家で自粛されていて、

ネットサーフィンをする時間が増えて、

私のブログが引っかかることが多くなったと予想します。

読んでくれるのはありがたいです。

私にとってネットはアウトプットの場です。

アクセス数が多いのはやっぱり励みになります。

今日はまだ書きます。  

    

前々記事に引き続いて、

「世界」2020年5月号(岩波書店)より引用します。

  

神保太郎さんが「メディア批評」のタイトルで

記事を寄せています。

そこからの引用です。

  

■ 忘却と戦うジャーナリズム

 「スクープ」の対極にあるのは「忘却」だろう。森友疑惑は、

「疑惑の国有地売却」を報じた朝日新聞のスクープから始まり(

2017年2月9日)、「首相夫人の介在」「不透明な売却交渉」

などが国会で問題になった。防戦に当たったのが佐川宣寿理財局長

(当時)だった。「交渉記録は内規に従い廃棄した」の一点張りで

疑惑を包み隠した。時が経てば、世間は忘れる。北朝鮮のミサイル、

加計学園疑惑、豪雨災害・・・。ニュースの洪水が人々の関心を押

し流す。忘れさせれば勝利なのだ。

 忘却との戦いに突破口を開いたのは、また朝日新聞。「交渉記録

改竄」を暴いた(2018年3月2日)。財務相の引責辞任に値す

る組織悪が発覚しながら、麻生大臣は歳費に上乗せされる閣僚給与

1年分(約170万円)の自主返納で居座った。佐川局長ら20人

が減給などの処分を受けたが、これで手仕舞い。大阪地検は関与し

た全員を不起訴処分に。権力の総がかりで森友は再び忘却の闇に隠

された。

 しかし、忘れることができない人がいる。遺族は三回忌の節目に

「死の真相」を求め動き始めた。「二人は調査される側で、再調査

しないと発言される立場ではないと思います」。二人とは安倍首相

と麻生財務相である。

(97p)

  

  

森友疑惑については、当初はよくわかっていませんでした。

首相夫人が名誉校長だから、土地が安くなった?

首相に忖度して公文書改竄?

そんなことあるわけないじゃんという視点もあったと思います。

しかし、桜を見る会の件で、そんなことあるわけないじゃんと

思えるようなことが、実際に起こっていると感じました。

新たな視点です。

その視点で見ると、森友疑惑も加計疑惑も、

実際にとんでもないことが起こったのだとわかりました。

  

  

3月19日の麻生財務相の会見の様子が記されていました。

  

 翌19日の会見は、(3月18日の会見と)雰囲気が少し変わっ

た。テレビ東京の記者が、「大臣はまだ(赤木俊夫さんの)遺書や

手記をご覧になっていないということでしょうか」と問いかけた。

「ゲラみたいなやつは読みましたよ。現物を読んだか、といったら

私は現物をいただいておりませんから」と麻生氏。

 「読んだなら感想を聞かせていただきたい」。記者はたたみかけ

た。「読んでいないので答えようがない」と逃げる大臣。「ゲラで

読んだんでしょう。内容は同じです。感想を」と迫る記者を「同じ

内容かどうかわからない。あなたの話が本当かどうかもわからない

からね」と突っぱねた。頑張ったテレ東記者に同調する質問が連発

された。「全文をきちんと読んで、感想を語る考えはないか?」(

テレビ朝日)「調査報告書の会見で『なんでやったのか、それがわ

かれば苦労しない』という趣旨のことをおっしゃっていた。であれ

ば実態を解明するために何かやってもいいのでは」(朝日新聞)「

近畿財務局で文書が見つかった経緯は調査報告書と違う部分もある。

改めて調査する考えは」(東京新聞)「佐川局長から明確な指示が

あったという指摘は、新たな事実に当たらないのか」(共同通信)

 麻生氏は憮然として、「出した文書、あれが私どもが調査した結

果ですから。新しい手記があって、あの種のご指摘は前からあった

ところでしたけど、調査したうえで、私どもはそうではないという

結論を出して、あの調査書をあげさせていただいておりますから」

 そして「最後に」と前置きしてこう述べた。「ちょっとさあ、財

研だったらさ、WTI(原油先物価格)が20ドルに下がってどう

ですかぐらいの質問は出んのかね。えらいことじゃないの?それも

知らない?・・・みんなしらーっとして、森友。これ、社会部じゃ

ない。少なくとも、これぐらいでかい話、いまないと思うけどね。

どうして出ないの?WTIって見たことない?財研か、ここは?」

 支離滅裂な愚痴を撒き散らし退席した。

(98p)

  

私はこの会見を、読んだ時点で見ていませんでした。

実際に見たくなりました。

ありがたいことに、今の世の中、その気になると見ることができます。

TBS NEWS【全録】麻生会見すべて見せます

該当のシーンは7分30秒からです。

よかったら退席まで見てみてください。

 

記録に残したい会見です。

忘却したくないです。

政治家はこうでなくてはやっていけないのでしょうか。

そうだとしたら、政治家という職業は、

教え子に勧められません。

コメント

「信頼」と「誠実」を大切にする政府であってほしいと強く思います。

相澤冬樹さんの『安倍官邸VSNHK』を読みました。
「はじめに」のなかに『森友事件は森友学園の事件ではない。国と大阪府の事件である。森友事件の真の問題点は何かを明らかにする』という文がありました。
大臣のインタビューを見ると、被告が自らを裁いているような印象しか残りません。
本を読むと、籠池さんの方が誠実であるように思ってしまいます。

道徳が教科になりましたが、政府の人たちが言う「道徳」とは何だろうと考え込んでしまいます。

コメントをありがとうございます。
『安倍官邸VSNHK』はこれから読みます。
遅ればせながら森友事件を勉強しようと思います。
政治家は権謀術数をめぐらさなければ
ならないのかもしれませんが、
やっていることが、よく考えてその結果の決断ではなくて、
安易に行われたことの尻拭いをしているように見えます。
ハマコウさんの言うように、政治家だって
「信頼」「誠実」が大事だと思います。
  
こんなに政治家に失望した体験は今までなかったと思います。

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