「100時間の夜」① ティーンエイジャー向けに書き下ろされた本でした
今日は令和2年3月25日。
勤務校の図書館の本、3冊目を読破しました。
「100時間の夜」(アンナ・ウォルツ著/野坂悦子訳/
フレーベル館)です。
あまり読んだ事のない種類の本でした。
当初、主人公の女の子の心の中の思いが脈絡もなく出てくるように思え、
そして他の登場人物とのたたみかける会話で、
いったいどんな話なんだろうか見通せず、
読むのをやめようかと途中で思いました。
しかし、ハリケーンに襲われて大停電になったり、
主人公の女の子がなぜオランダから脱出して
ニューヨークに来たのかが判明したあたりで、
ストーリーが定まってきて、
最後は達成感を持って読み切ることができました。
訳者によるあとがきが、スッキリまとめてくれていたので、
書き写します。
将来、この本どんな本だったかなと思い出すときには、
役に立ちそうです。
1981年生まれの若手作家、アンナ・ウォレツが、ティーンエイ
ジャーのために書きおろした『100時間の夜』をお届けします。
父さんが起こしたスキャンダルにたえられなくなった14歳のエミ
リアは、オランダから飛行機に乗り、ニューヨークへ逃げ出します。
でも、あこがれのニューヨークでエミリアを待っていたのは、思い
がけないことばかり。セスやアビー、ジムとの出会い、そしてなん
と巨大なハリケーン・サンディーが街を直撃することになって・・。
2012年10月29日にニューヨーク市をおそったサンディーが、
800万戸を停電させ、多くの命を奪ったことを覚えている方も多
いでしょう。3か月のニューヨーク滞在中、作者自身がそのハリケ
ーンに遭遇したことがきっかけで、『100時間の夜』は生まれて
きました。
前作『ぼくとテスの秘密の七日間』(フレーベル館)と同じように、
作者は、にぎやかな会話で読者を楽しませながら(※私は最初はついて
いけませんでした)家族とは、孤独とは何かを読者に問いかけます。エ
ミリアだけでなく、クールなジムも、親の生き方を肯定できずに家
を飛び出したことがわかり、ユダヤ系の兄妹セスとアビーも、数年
前に死んだパパのことを自由に話すことができません。
けれども大停電を一種の「冒険」として乗りこえた4人には、強い
結びつきができ、心のばねに、それぞれの家族が再生にむけて一歩
ふみだすのです。
(364~365p)
ティーンエイジャーのために書いた本を、
定年間際のおじさんが読んだので、最初は戸惑いました。
でも大丈夫でしたよ。
後半は充実した読書でした。
次の記事では、気に留まった文章を引用します。
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