「函館の大火」⑧/大火の記録 短歌 絵ハガキ
今日は令和元年11月14日。
前投稿に引き続き、
「函館の大火 昭和九年の都市災害」
(宮崎揚弘著/法政大学出版局)より引用します。
「終章 大火の記憶」の章では、
大火の記録がさまざまな形で残されていることを
紹介していました。
たとえば、先にもいくつか紹介しましたが、
ここでも一句。
すがられて知らぬ子なれど手を引きっ
逃げゆく方も炎となりぬ
今井キヨ
逃げている時の状況のわかる句です。
印象に残りました。
絵よりも早く正確に実態を写す写真は、大火の最中から
撮られた。素人の個人写真からプロのカメラマンによる
写真まで多数あったが、それらが今日写真集となって、
残されたのである。中にはプロのカメラマン管初次が
撮った火災と復興の写真集がある。そこには、焼失した
市内の写真が多数収録された。
(222~223p)
「管初次」「函館」で検索してみましたが、その写真集は
わかりませんでした。
そうした中で、写真を絵ハガキにして売り出す方法もとられた。
当時発売された絵ハガキは何万枚であろうか。
荒涼とした焼跡、廃墟と化した土蔵、焼け落ちた橋・・・
それらが絵ハガキになって販売され大火を知らなかった人の
目に触れることになった。図8-14はその一部である。
かくて、写真は大火の記憶を伝える貴重な手段のひとつと
なったのであった。
(223p)
「函館の大火 昭和九年の都市災害」には、上記の通り、
7枚の写真が掲載されています。
そのうちの1枚だけ載せます。
さらにネット上に次のような動画がありました。
YouTube: 戦前絵葉書に残る災害の記録(明治〜昭和初期) Japan Postcards of Great Disaster
この動画には、絵ハガキに残る災害の写真が紹介されています。
今まで聞いたことがない災害も多くありました。
その中に函館大火もありました。(6分30秒から5枚)
災害を絵ハガキで伝える文化について興味をもち始めました。
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