「温暖化」をどう考えるか②/0.8℃気温を上げた容疑者
今日は令和元年11月7日。
一昨日の記事の続きで、
「異常気象と人類の選択」(江守正多著/角川SSC新書)から
引用します。2013年9月刊行の本です。
最近の個々の異常気象のニュースの重要性を判断する際に
私が気を付けていることを書いておきます。
それは、観測が始まって以来の記録を更新したかどうかに
注意することです。
記録を更新したからといって温暖化のせいだと
いえるわけではありませんし、
公式の観測が始まる以前に同等の規模の異常気象が
あった場合もあるでしょう。
しかし、やはり、観測史上で過去最大の異常気象は、
過去に何度か経験された異常気象よりも、
「より異常である」可能性が高いと
考えてよいだろうというのが僕の見方です。
(40~41p)
台風19号が10月12日に箱根町にもたらした
24時間降水量922.5ミリは観測史上最多でした。
※参考:Wikipedia
台風19号はやはり異常です。
温暖化の負の側面が出てしまったと思います。
人間活動による温室効果ガスが原因で地球が暖まっており、
ほっておけばさらに温度上昇が進むという主張を
「人為起源温暖化論」(略して「温暖化論」)と呼びます。
(中略)
これに対して、人為起源温暖化は科学的に
間違っているのではないかとほのめかす主張を
「温暖化懐疑論」(略して「懐疑論」)と呼びます。
(55~56p)
現時点でのこの問題への僕の結論は以下の2点に
まとめられます。
①温暖化論が間違っている可能性はゼロではない。
しかし、間違っているという証拠は今のところない。
②温暖化論が正しいかどうかわからないという人がいるのは
自然である。しかし、温暖化論が間違っているに
違いないと断言する人は自然である。
1点目は、僕自身が、多くの懐疑論を見聞きして、
温暖化論が本当に正しいかどうか何度も自分に
問いかけてみた結果として現時点で得ている結論です。
(中略)
まず、20世紀以降に世界の平均気温が
本当に上がっているかどうかという問題があります。
これについては、世界のいくつかの研究機関が
それぞれ独立にまとめたデータセットが、
どれも20世紀以降に0.8℃程度の
世界平均気温の上昇があったことを示しています。
その基となるデータは温度計で測られた世界中の
気温データです。
(57~58p)
大気中の二酸化炭素濃度は産業革命以降増加し続け、
もとは280ppmだったものが400ppmにまで
達しました。このことを僕には疑えません。
この間、人間が石炭、石油、天然ガスを燃やして
エネルギーを取り出すことにより大気中に
放出された二酸化炭素の量を見積もると、
大気中に増加した量のおよそ2倍です。
つまり、人間活動で排出したうちの半分は
海や生態系によって吸収されて、残りが大気中濃度を
増加させたということです。
もしも大気中の濃度増加が人間活動のせいでないとしたら、
大気中濃度を増加させた量の2倍もの
人間活動起源二酸化炭素がどこに行ったか
説明しなければなりませんが、そういう説明を僕は知りませんし、
そういう可能性を想像することも僕には困難です。
(60~61p)
現在わかっている外部要因のうち、20世紀後半に地球の
温度を上げる方向に作用したのは人間活動起源の要因しかなく、
その中の主要な要因は大気中温室効果ガスの増加です。
いってみれば、温室効果ガス以外に「容疑者」が
見当たらないのです。
(64p)
この本を一読した時に、後で再読したいところに
付箋を貼りました。全部で60か所でした。
そこを再読しながら、ここは将来も再読したいというところを
書き留めています。
まだ続きます。
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