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2019年11月 7日 (木)

「温暖化」をどう考えるか②/0.8℃気温を上げた容疑者

今日は令和元年11月7日。

    

一昨日の記事の続きで、

異常気象と人類の選択」(江守正多著/角川SSC新書)から

引用します。2013年9月刊行の本です。

  

  

最近の個々の異常気象のニュースの重要性を判断する際に

私が気を付けていることを書いておきます。

それは、観測が始まって以来の記録を更新したかどうかに

注意することです。

記録を更新したからといって温暖化のせいだと

いえるわけではありませんし、

公式の観測が始まる以前に同等の規模の異常気象が

あった場合もあるでしょう。

しかし、やはり、観測史上で過去最大の異常気象は、

過去に何度か経験された異常気象よりも、

「より異常である」可能性が高いと

考えてよいだろうというのが僕の見方です。

(40~41p)

  

 

台風19号が10月12日に箱根町にもたらした

24時間降水量922.5ミリは観測史上最多でした。

※参考:Wikipedia

台風19号はやはり異常です。

温暖化の負の側面が出てしまったと思います。

   

  

人間活動による温室効果ガスが原因で地球が暖まっており、

ほっておけばさらに温度上昇が進むという主張を

「人為起源温暖化論」(略して「温暖化論」)と呼びます。

(中略)

これに対して、人為起源温暖化は科学的に

間違っているのではないかとほのめかす主張を

「温暖化懐疑論」(略して「懐疑論」)と呼びます。

(55~56p)

    

現時点でのこの問題への僕の結論は以下の2点に

まとめられます。

①温暖化論が間違っている可能性はゼロではない。

 しかし、間違っているという証拠は今のところない。

②温暖化論が正しいかどうかわからないという人がいるのは

 自然である。しかし、温暖化論が間違っているに

 違いないと断言する人は自然である。

 

1点目は、僕自身が、多くの懐疑論を見聞きして、

温暖化論が本当に正しいかどうか何度も自分に

問いかけてみた結果として現時点で得ている結論です。

(中略)

まず、20世紀以降に世界の平均気温が

本当に上がっているかどうかという問題があります。

これについては、世界のいくつかの研究機関が

それぞれ独立にまとめたデータセットが、

どれも20世紀以降に0.8℃程度の

世界平均気温の上昇があったことを示しています。

その基となるデータは温度計で測られた世界中の

気温データです。

(57~58p)  

  

  

大気中の二酸化炭素濃度は産業革命以降増加し続け、

もとは280ppmだったものが400ppmにまで

達しました。このことを僕には疑えません。

この間、人間が石炭、石油、天然ガスを燃やして

エネルギーを取り出すことにより大気中に

放出された二酸化炭素の量を見積もると、

大気中に増加した量のおよそ2倍です。

つまり、人間活動で排出したうちの半分は

海や生態系によって吸収されて、残りが大気中濃度を

増加させたということです。

もしも大気中の濃度増加が人間活動のせいでないとしたら、

大気中濃度を増加させた量の2倍もの

人間活動起源二酸化炭素がどこに行ったか

説明しなければなりませんが、そういう説明を僕は知りませんし、

そういう可能性を想像することも僕には困難です。

(60~61p)

     

 

現在わかっている外部要因のうち、20世紀後半に地球の

温度を上げる方向に作用したのは人間活動起源の要因しかなく、

その中の主要な要因は大気中温室効果ガスの増加です。

いってみれば、温室効果ガス以外に「容疑者」が

見当たらないのです。

(64p)

  

 

この本を一読した時に、後で再読したいところに

付箋を貼りました。全部で60か所でした。

そこを再読しながら、ここは将来も再読したいというところを

書き留めています。

まだ続きます。

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