「雪虫の飛ぶ日」④/「宮田号」と「ノーリツ号」について
今日は令和元年10月29日。
「雪虫の飛ぶ日 新十津川物語6」
(川村たかし著/偕成社)からの引用です。
主人公のフキの孫の兄弟、和彦と幸彦(さちひこ)が
あいへのお祝いの自転車をめぐって、言い合っています。
(幸彦)「でもさ、自転車はノーリツ号のほうがはやいんだぜ。」
(和彦)「ばっか、この宮田号のほうが上等だい。」
ここで私の好奇心のアンテナにピピッと来ました。
自転車で「宮田号」と言えば、宮田自転車のことか?
「ノーリツ号」ってあるのか?
調べました。
まずは宮田自転車について。
いろいろ調べましたが、墨田区教育委員会の
「宮田製作所跡」の説明板が参考になりました。
これを読むと、鉄砲づくりから自転車づくりに
移ったことがわかります。
明治36年(1903年)には、
アメリカの自転車をモデルにした「旭号」を
内国勧業博覧会に出品しています。
恭之助があいに自転車をプレゼントしたのは、
昭和7年(1932年)の春のことです。
宮田自転車はすでに存在しています。
残念ながら「宮田号」なる名前は検索でひっかかりませんでしたが、
おそらく、宮田自転車の自転車でしょう。
「ノーリツ号」は存在するかどうか。
☝ ここを見るとわかりました。
名古屋にあった岡本自転車工業が、大正時代から
「ノーリツ号」を作っていました。
「雪虫の飛ぶ日」の話の中に出てきてもおかしくないです。
※昭和自転車 Vintage Japanese Bicycles
☝ ここを見ると、岡本自転車工業が、
明治36年(1903年)に
「最初の国産自転車を完成した」とあります。
宮田自転車が「旭号」を出品した年です。
日本の自転車史にとって、明治36年(1903年)は
重要ですね。
本を読んで、それがきっかけに好奇心が動いて
新たなことを知るのは面白い。
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