「健康診断 戦艦大和」その5/毎日のように虫垂炎の手術をしていた
今日は令和元年9月12日。
9月9日の記事の続きです。8月22日放映の
「偉人たちの健康診断 戦艦大和 男たちの“健康”」
の読み物化をしていきます。
今まで知らなかった戦艦大和のことがわかった番組です。
今までは、戦艦大和が、乗組員にとってどれほど快適だったかを
書いてきました。
しかし、戦闘配置につくようになると、
そうはいかなかったのです。
〇敵潜水艦に狙われて、魚雷攻撃を受けるようになった。
そのような戦闘配置についた戦艦大和で、
ある病気が頻繁に発症するようになった。
語ってくれたのは、元軍医の祖父江逸郎さん。☟
〇その病気とは、虫垂炎だった。☟
〇虫垂炎は大腸の一部である虫垂で炎症が生じる病。
〇主な原因は硬い便が詰まったり、ウイルス性の感染症などだが、
近年 注目を集めている原因は、ストレス。
急激な環境の変化や極度の緊張などにより免疫力が低下し
虫垂炎を起こすのである。
戦艦大和でも 同じようなことが起こっていたと考えられる。
〇兵たちにとって 大和は、世界一快適な戦艦ゆえに
戦闘時との落差は、ひときわ大きいものだった。
被弾した際、火や煙が冷気ダクトを通って艦内に
広がってしまう危険があった。
〇そのため 戦闘時は、ダクトが閉められ、一転、とても高温になった。
食事も ふだんの豪華なものから様変わり。 お握り2個のみ。
ひとたび戦闘が始まると、兵の健康を考えて作った快適装備も
十分な食事も なくなってしまったのである。
〇更にもう一つ、戦闘配置時は大和艦内に
異質な環境を生み出された。
戦闘時は 被弾に備え、区画ごとの扉を閉めます。
分厚い鉄に囲まれた艦内の一部はとても静かになり
無音に近い閉鎖空間となるのである。
〇戦闘時の静かな閉鎖空間。
これが兵たちのストレスを助長させていたと
専門家は指摘している。
〇大和の艦内では、 無音に近い状態が続き
不安と緊張感が増大していったと考えられる。
〇最強の戦艦にして 最新の設備まで備えた大和だったが、
最大の敵は ストレス。
自慢の大砲や医療設備では解決できないものだった。
「無音」について、番組では、
アメリカ・ミネソタ州のオーフィールド研究所で行われた
実験のことを紹介していました。
「無響室」と呼ばれる外界の音を 一切遮断した空間で
人がどれだけ耐えられるかを調べたところ、
最も長い人でも およそ45分が限界だったそうです。
自分でも、想像しただけで嫌になってしまいます。
元軍医の祖父江さんが言うには、
毎日のように虫垂炎の手術をしたそうです。
戦闘配置についた時のストレスは、
命もかかっているだけに、想像を絶するものでしょう。
つづく
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