「学校の『当たり前』をやめた。」その3/「一夜漬け」は中高生時代の体験から?
今日は2月11日。
前投稿に引き続き、
「学校の『当たり前』をやめた。」
(工藤勇一著/時事通信社)より、引用します。
私が定期考査をなくそうと考えたのは、宿題と同様、
目的を達成するための手段として適切ではないと
感じたからです。
皆さんの中高生時代を思い返してみてください。
定期考査前の1週間前、日頃の遅れを取り戻すべく
躍起になって勉強し、テストに出そうな部分を
一夜漬けで頭に叩き込んだ記憶はありませんか。
そうした定期考査前の学習パターンは、
今の生徒たちも何ら変わってません。
一夜漬けでの学習は、「テストの点数を取る」という
目的においては有効ですが、学習成果を持続的に
維持する上では効果的とは言えません。
テストが終わったら、かなりの部分は忘れてしまうからです。
そうしたプロセスを経て獲得した点数、評価は、
その生徒にとっての「瞬間最大風速」にすぎず、
それをもって成績をつけたり、学力が付いていると判断することは、
適切な評価とは言えません。
さらに言えば、一夜漬けで片づける「悪癖」がつくことの弊害も
小さくないと思います。
私も大きな仕事があるのに締め切り近くまで着手せず、
直前になってから「やっつけ仕事」で片づける傾向が
かつてはありました。言い訳をするようですが、
こうした習慣も中高生時代の定期考査対策を通じて
身に付いたものではないかと思うことがあります。
教員の多くは定期考査の「勝ち組」です。
自らの成功体験を客観視して、それを否定的に見ることは
難しいものです。自分がそうしてきたように、
子どもたちにも成功体験を積んでほしいと思うのではないでしょうか。
(26~27p)
「定期考査をなくす」のは、生徒たちに楽な思いをさせるわけでも、
高校受験を軽視するわけでもありません。
生徒たちを第一志望の学校へ進学させる上でも、
定期考査を見直す必要があると判断しました。
その上で、すべての生徒が効率的に学力を高められるよう、
学習システムの再構築を図りました。
具体的には、定期考査をなくした代わりに、
単元テストを行っています。
(28~29p)
年に3回だった実力テストを5回に増やしました。
実力テストは、出題範囲が事前に示されないため、
生徒たちの本当の学力を測ることができます。
生徒たちは、授業で学んだことを単元テストで確認し、
理解しきれていない部分は、
そこですぐに復習するようになりました。
ちなみに、単元テストは、再チャレンジすることができます。
(29p)
定期考査を廃止し、単元テストに切り替えたことで、
生徒たちはこれまで以上に自分で考えて、
よく勉強するようになりました。
勉強時間が増えた子もいます。
「自宅で机に向かっている時間が増えた」という
喜びの声も保護者から聞こえてきます。
もちろん、効率的に学習できるようになった結果として、
勉強時間が減ってもよいのです。
子どもたちが自分の意思で主体的に学ぶことが
大切なのですから。
(31p)
大人になってからの「一夜漬け」も、
中高生時代の「一夜漬け」勉強の影響とい説はビックリ。
でも「そんなわけないじゃん」と言えない部分は
あるなと思います。
特別支援学級の生徒の試験はどうするか?
目前に迫った来学年度、考えなければいけないタイミングです。
つづく
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