この本を使って、浮世絵の基礎を勉強
今日は11月29日。
11月30本目の投稿。
11月は1日1本の投稿ペースでいきたいと漠然と思っていましたが、
この1本で達成です。11月は30日で終わりですからね。
この曲、お薦めです↓
池田綾子さん、いい歌がたくさんありますね。
この曲は2004年の曲。
今頃、知りました。でも幸運でした。
こんな本を読みました。
「はじめての浮世絵1 浮世絵って何?どうやってつくるの?」
(深光富士男著/河出書房新社)です。
研究授業直前に勉強です。
〇「浮世絵の創始者」と言われる絵師は菱川師宣(ひしかわもろのぶ)。
・1670年頃浮世絵スタート。
・版本から絵を独立させるように、「一枚絵」という画期的な
鑑賞用の浮世絵版画を誕生させた。
〇浮世絵は、木版手摺りで量産される版本のさし絵、一枚絵のほか、
絵師が絵筆で描いて、そのまま絵画として仕上げる「肉筆浮世絵」もあり。
・現物1点のみの肉筆浮世絵は、とても高価。
〇浮世絵は最初は墨一色であった。「墨摺絵(すみずりえ)」
〇浮世絵に色がつけられるようになる。1枚1枚に筆で色をぬる。
「手彩色(てさいしき)」
・手彩色の種類・・・「丹絵(たんえ)」(丹という橙色などを使用)
「紅絵(べにえ)」(紅花からとれる紅などを使用)
「漆絵(うるしえ)」(墨部分に光沢を出す技法)
・手彩色・・・1枚ずつぬるので手間がかかり、できにむらがあった。
〇「紅摺絵(べにずりえ)」・・・使う色ごとに色の版(色版/いろはん)を
彫って、墨摺絵に摺り重ねていく方法。
・浮世絵が誕生して80年近くたった1744年頃に誕生。
・大きな技術革新。でも色は2~3色どまり。
〇「錦絵(にしきえ)」・・・鈴木春信が熟練の彫師、摺師の協力を得て、
色数を7~8色に増やした浮世絵版画を誕生させた。これが錦絵。
・浮世絵誕生から100年ほど経過。
〇「続絵(つづきえ)」・・・複数枚つなげると1枚の絵に見える浮世絵版画。
・つなげることでわかる浮世絵を創作したのは歌川国芳。
「相馬の古内裏(そうまのふるだいり)」
〇浮世絵版画の値段・・・そば一杯程度の値段 1枚数百円
・ヒット作だと7000枚摺られたという記録あり。
〇「北斎漫画」がヨーロッパに広まったいきさつ
・1856年 「北斎漫画」が陶器を運ぶさいの緩衝材(詰め物)として使用。
・偶然見たパリの版画家フェリックス・ブラックモンは、
北斎の絵の素晴らしさに衝撃。
・友人の画家、マネやドガらに「北斎漫画」を教えた。
〇1867年の「パリ万博」で浮世絵が多数出品される。
・このころから「ジャポニスム(日本趣味)」がフランスを中心に、
欧米へと広がり大流行していく。
・浮世絵の構図、表現方法、色使いなどにおいて、外国の画家たちに
多大な影響を与えた。
〇浮世絵の版木に使われるのは、均等に彫れて適度の硬さをもつヤマザクラ。
〇絵師が描いた下絵を「版下絵(はんしたえ)」という。
〇彫師は版下絵を版木の上に裏返してはり、最初に墨版(すみはん)を彫る。
墨版は「主版(おもはん)」とも呼ばれる。
〇墨版を用いて墨摺りが行われる。10数枚程度。
〇墨摺りされたものに、絵師が1枚につき1色ず色を入れたい部分に朱色をぬり、
色指定をする。これを色さしと言う。
〇色ごとに彫師が色版を彫る。
〇摺師が墨版と色版を使って摺る。最初に墨版が摺られ、色版は薄い色から順に
摺り重ねられるのが基本。
〇見当(けんとう)を彫っておく
・彫師は、墨版と全色版の同じ位置に「かぎ見当」「引き付け見当」を彫る。
・位置は、版木を横長にしてかぎ見当は右下部、
引き付け見当は下部の左から長さ3分の1のところ。
・摺るときに、紙をこの2つの見当に合わせると、色ずれしない。
〇「ぼかし」・・・濃い色を段差なく少しずつ薄くしていく手法
・水でしめらせた版木の上に絵の具をのせ、
ブラシや刷毛でゆるやかにのばして摺る。
〇彫師の技・・・髪の生えぎわ部分で1mmの間に4本の線を彫る。
喜多川歌麿「五人美人愛敬競松葉屋喜瀬川」
ここも参考↓
以上です。
特に墨版から墨摺りが行われ、色版が作られる過程は、
今まで見てきた映像や資料では省略されていた過程。
疑問に思っていたことが解決できました。
最後に、この本にはなかったのですが、
なぜ「浮世絵」なのか調べました。
次のサイトが参考になりました。
引用します。
江戸時代以前、長く戦乱の世が続いていた時代の「うきよ」
といえば「憂世」であった。つまり、浄土(あの世) に対して
憂世(この世)はつらくはかないもので、
移ろいやすい世の中といった意味である。
しかし、徳川幕府が開かれ江戸の地に発展と安定がみえはじめると、
当時ゆとりをもった町人を中心に “浮き浮きと毎日を暮らそう”という
明るい意思が芽生え、「うきよ」は「浮世」という享楽的な言葉に
変化していった。
次第に、「浮世」が当時の世相、風俗、風習、考え方を
肯定的にとらえる当世風・今様という意味をもつようになり、
そのことが画家たちの創作活動にも影響を及ぼしていった。
それまで古くは公家や武士などの富裕層を相手に描いていた
プロの画家たちが、人々の日常生活をとらえた
近世初期風俗画を描くようになり、
それが楽しみを味わう気分を反映した
「浮世絵」へと展開していったのである。
簡単に言うと「今を表す絵」なのですね。
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