東京での研修あれこれ18.音声を文字に変換
今日は8月24日。
8月9日・10日は発達協会主催の
「2016実戦セミナー M ICTを用いた指導・支援」の報告です。
5・6番目の講義である
【タブレット端末・スマートフォンを用いた学習・生活の支援①②/
坂井聡(香川大学)】より
前投稿の続きです。
〇東京への往復の新幹線車内で読み終えた本
「自閉症スペクトラム障害 療育と対応を考える」
(平岩幹男著/岩波新書)からの引用です。
前投稿の動画「Dillan's Path」での発言に関連します。
私が学生時代に受けた教育や当時の医学の常識では、
自閉症は知的障害を伴う、治療などの介入できない障害だと
思われていましたし、私もそう思っていました。
幼児期に診断される自閉症は、言葉が遅れている、
あるいは話せないところから発見されることが多いと思われます。
難聴(耳の聞こえが悪い)による場合以外は、
言葉の遅れは知的な遅れによるものと考えられてきたので、
特にそこに介入することは積極的に考えられていませんでした。
言葉の遅れ=知的な遅れ、知的な遅れ=治らない、
したがって言葉の遅れた自閉症=治らない、という考え方でした。
それから30年の日々が流れた今日では、
こうした言葉が話せない自閉症を抱えた子どもたちでも、
適切に療育を行うことにより、言葉を話し、
普通に小学校に入る子どもたちが増えてきました。
残念ながらすべてではありませんが、私の拝見している中では
半数を超えます。 (まえがきより)
※30年前は療育されなかったということです。
私もこの時代を過ごしてきた者として、
言葉の遅れ=知的な遅れというイメージはあります。
「Dillan's Path」での母親もそのイメージです。
したがって現在は幸せなのです。
iPadを使ってコミュニケーションがとれたりするのです。
何も特別な支援も行われず、今や中高年になった人たちは
二次障害などを発症して苦労の人生を過ごされていると
想像します。
この本は、特別支援教育の基本を勉強するには適していました。
どのような障害があり、どのように療育がなされてきたかが、
ていねいに書いてありました。
〇聴覚障害者のためのICT機器
・富士通の「ライブトーク」
音声を認識して文字に変換してくれる。
※富士通HP 聴覚障がい者参加型コミュニケーションツール「LiveTalk」を発表(2015年4月)
・アプリ「UDトーク」 これも音声を認識して文字化
https://itunes.apple.com/jp/app/id666188441?mt=8
〇インターネットの世界なら活躍できる
・やけどをして顔にひどいケガをした女性の話。
「インターネットの世界なら顔を見せずに頑張れる」
それもありかなと坂井先生。
〇障害者を支援する「アシストスマホ」
・Softbankのサービス
・初めて知ったサービスです。2014年3月スタート。
以上で、坂井先生の講義のまとめを終了。
新しく知ったことがたくさんありました。
これらを知っていて、将来アイデアを考えるときに活かしたい。
坂井先生はこう言っていました。
(ICT機器を)どうやって使うのかより、どの場面で使うのか?
場面を考えれば使い方も浮かんでくる。
この辺りも気をつけていこう。
「東京での研修あれこれ」シリーズも大詰め。あと2本かな?
ちょうど20で終わりそう。
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