増田さんがスーツを着ない理由
今日は4月24日。
2015年10月19日放映の「プロフェッショナル仕事の流儀
常識の外に未来はある 起業家 増田宗昭」より。
前投稿でネクタイについて書きました。
ムヒカ元ウルグアイ大統領がネクタイをしなかった話です。
この番組の増田さんも、スーツを着ないで、
ふだんからラフなスタイルです。
そのスタイルに触れた部分を聞き書きします。
ナレーター:
ラフないでたちには理由があるという。
インタビュアー:
いつもこの格好なのですか?
増田:
みんながスーツを着ているから、スーツを着ておけば安心、
みたいな人が多いじゃん。
だけど本質的かといったら、そうじゃねえじゃん。
お客の気分になるってことが大事よ。
だからお客の格好よ、これは。
林成之さんの言う「統一・一貫性」の法則によると、
違うものは排除する傾向にある脳です。
みんながそうだから合わせて安心するように脳はできています。
その中でスーツを着ない、ネクタイをしない格好を通すのは
少々辛いところです。
でもオリジナルなことをするためには、
脳の”当たり前”を打破しておく必要を感じます。
この増田さんのように、スーツを着ない理由がほしいなと思います。
この番組で印象に残った他の場面も聞き書きします。
ナレーター:
今、増田が取り組んでいるのは、
低迷する小売業を変える新たなビジネスモデルの開発だ。
4年前に作った書店を中心とした複合施設。
増田:
来るってことに価値のある空間を作りたい。
ナレーター:
既存の書店のように、品ぞろえだけで勝負しては、
ネット書店に勝てないと考えた増田。
コーヒーを飲みながら商品を自由に何時間でも読むことができるなど
ネットとは対極のゆったりとした居心地を追求した。
これまでにない雰囲気が評判を呼び、
売上は右肩上がりに伸びている。
(中略)
しかし、課題になっている売場があった。
2階にあるCDレンタルや販売を行う音楽フロア。
オープンから4年、売上が2割弱落ちていた。
増田:
ひと言で言うと、まだお客さんに支持されていない。
一回来た人が何回も来るような、まだ売り場にはなっていない。
(中略)
ナレーター:
増田はまず、どういうジャンルが売れているのか分析を始めた。
(中略)
他の系列店で人気の日本のポップスが落ち込んでいる。
増田:
今から売り場行こうや、それでどうなってんねんって、
案内してみいや、そこなんだよ。
ナレーター:
突然、売り場に向かった。客からどう見えるか、
感じたことをどんどん伝える。
店の責任者:
こういうJ-POPの大瀧詠一さんと・・・
増田:
何がどうなの?新しいの?
店の責任者:
これ、はい新しいアルバムです。
増田:
これ、いつ発売なの?
店の責任者:
先週
増田:
その先週(発売)やって、どこでわかんの?
新しいってことがどうやってわかんのよ?
なるほど!と思ったシーンです。
確かに大瀧詠一のアルバムだとすると、
すでに故人なので、このアルバムは新しいかどうか気になります。
これが「客からどう見えるか」なのでしょう。
さらに聞き書きします。
ナレーター:
客からどう見えるか?
感じたことをどんどん伝える。
増田:
売り場が全てなんだよ。
考え方が後ろにあってもそんなの関係ないんだよ。
お客はみんな売場だけやから、
売り場に全部出ていなきゃダメなんだよ。
その気(買う気)にならない、分からんし。
お客さんの声なき声はそういうことやねんで。
タイトル:
『客の声を、自分の中に聞く』
増田:
外をキョロキョロして世の中どうなってんだろう、
どんなふうに向かうんだろうって、
みんな外に答を探すけど、逆に目を閉じて
自分は何をしたいんだろう、
どうなったら幸せなんだろう、
今、何したいんだろう。
自分っていうことの中から、
答が湧きだすような自分でありたい。
だから社長業にも埋もれたくないし、
できるだけ生活者として自分の感覚がいつも世の中と
シンクロしているように生きなきゃいけないと思っている。
ナレーター:
時代の心をつかむためには、自分自身が問われるのだ。
それが企画を生み出す者の宿命だと考えている。
勉強になる言葉です。
教師は授業を企画します。
そのためには子どもがどう思うか想像できなければなりません。
想像できたら、自分の中か答が湧き出てくるでしょう。
いい言葉です。
「『あれやれ』、『これやれ』って言われて、
やった失敗っていうのは、何の反省にもならない。
だけど、好きなことで、あるいは、
やりたいことの道に行ったときにする失敗というのは、
その人に反省をもたらすのね。」
「革新は、失敗からしか生まれない」
「俺は失敗した。だけどそこで学びがあって、
かつそれ以降に努力して、いろんなトライアルもして、
成長するためには失敗しなきゃいけないし、
僕が今日あるのは失敗したからだし、
成長していくっていうのは、“失敗の許容”。
失敗を許容できるように経営することが成長戦略かな」
昨年見て、聞き書きして、写真も撮ってありましたが、
投稿がずっと後回しになっていました。
やっと貴重な言葉をブログに載せることができました。
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