「それはホロコーストの”リハーサル”だった」より3.「T4作戦」
今日は1月4日。
前投稿に引き続き、
2015年11月7日放映の
【ETV特集 それはホロコーストの”リハーサル”だった
~障害者虐殺70年目の真実~】より
ナレーター:
強い民族を作り、ドイツの復刻をはかる。
ヒトラーはそのため、軍備の拡張を進めました。
同時にアウトバーン建設など、大々的な公共事業で、失業者を雇用。
経済の復興をアピール。国民の支持を集めます。
1936年には、ベルリンオリンピックを開催。
ドイツ民族の優秀さを国内外に誇示する絶好の機会として、
利用しました。
一方、福祉や社会保障にかかる費用は、大幅に削減。
障害者は生きているだけで金ばかりかかる価値のない存在だと、
国民に刷り込んでいきます。
↑これはナチスが教育用に作ったポスターです。
遺伝性とされた障害者を支えるのにどれだけの費用がかかり、
それが国民の負担になっているかを訴えています。
さらに全国にある5300、全ての映画館でも、
プロパガンダ映画を上映しました。
プロパガンダ映画のセリフ:
健康な国民同胞を健全にするための資金が、
白痴者を扶養するために使われている。
施設にはそのような者がうようよいる。
この遺伝疾患のある兄弟の世話と
施設の費用にこれまで154000マルクかかった。
どれほどの数の健康な人々が、この費用で家を買えるだろうか。
ナレーター:
そしてついに、障害者の殺害計画が動き出します。
第二次世界大戦勃発の前の年、ヒトラーの側近は、
全国の権威ある精神科医たちを召集。
殺害の対象とすべき人は誰か、苦しませずに殺す方法は何かなどと
話し合いを続けました。
1931年9月1日。
ドイツ軍はポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が始まります。
その混乱に乗じて、ヒトラーは、ある命令書にサインをします。
側近に当てた極秘命令書。
「病気の状態が深刻で、治癒できない患者を、
安楽死させる権限を与える」
日付はあえて戦争開始日の9月1日にしました。
実行本部が、ティ-アガルテン通り4番地に置かれると、
「T4(ティーフォー)作戦」と呼ばれました。
全国にいる障害者の調査票が作成され、
”安楽死”させる障害者が選ばれました。
基準は「生きる価値があるか」です。
殺すか殺さないかは、T4作戦本部の医者が決めていました。
番組では 「統合失調症」の女性患者が、
4人の医者から「殺してよい」と判定されている用紙が
紹介されていました。
本人の知らないところで、とっても重大な判定がされていたのです。
殺害施設の一覧です↓
人目につかないへんぴな場所の施設が選ばれました。
障害者はバスで運ばれて、受付をすませ、
シャワーを浴びると言われてガス室に送り込まれました。
ガス室で殺害された遺体は、焼却されました。
計画は極秘でした。
施設の近所の住民は、毎日のぼる黒煙とその匂いを不思議がりました。
匂いは異臭でした。
バスで満員の人が送り込まれるのに、帰りのバスは空っぽ。
施設は人でいっぱいになっているはずなのにそうなっていない。
謎でした。でもだんだん予想がついてきました。
戦場から帰った兵士が、黒煙の匂いは、
戦場で遺体を焼いた時の匂いと同じだと言いました。
しかし、もうだれも止められませんでした。
殺された障害者の肉親の話を次の投稿で書きます。
明朝にしよう。もう寝ます。
追記:この番組がパソコンで見ることができます。
いつまで見られるかはわかりませんが、紹介します↓
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