「足元の小宇宙」(NHK出版)より/ペンネームのいわれ
今日は9月15日。
前投稿に引き続き、
「足元の小宇宙」(埴沙萠著/NHK出版)から引用。
埴沙萠(はにしゃぼう)というペンネームのいわれについて書いてありました。
埴さんは、東京農大の「育種学研究所」の中の砂漠植物研究室に在籍し、
サボテン(シャボテン)の研究をしていました。
引用します。
このときに、研究所の先輩、同僚たちは、どうせ
「おいシャボテン君」「シャボ君」と呼ぶようになるだろうから、
人からニックネームをつけられるまえに、自分でつけてしまえということで、
シャボテンを育てるのに使う赤土「埴」と、
シャボウに沙萠の字を当てて、
「沙」水の少ない赤土から萠え出るという意味と音とで、
埴沙萠というペンネームをつけました。 (67p)
ここで「シャボテン」「サボテン」という言葉が出てきました。
この区別はあるのか興味を持ちましたが、調べた限りではよくわからず。
埴さんは、サボテン・多肉植物を総称してシャボテンと記述していました。
(1968年の)ある日、近くの本屋で、昆虫写真家の栗林慧(さとし)さんの、
アリのすばらしい写真を見て、
これが植物生態写真家・埴沙萠の誕生のきかっけになったのでした。
シャボテン撮影で学んだ撮影技術を活かして、
野山の植物の撮影がはじまりました。 (72p)
そうかあ、栗林さんの影響だったのですね。
栗林さんの活動も長い。
地下茎から芽が出てくるのは「芽吹き」、
タネから芽が出るのは「芽生え」と呼んでいます。 (106p)
そうか、こうやって区別しているんだ。
これって国語辞典には書いていない区別。埴さんの解釈かな?
「芽吹き」は新緑の葉の様子を思い浮かべるなあ。
ヘチマが、ぶ~らぶ~ら風に揺れているのを眺めていましたら、
とつぜん、ヘチマの先端からタネが落ちてきました。
ヘチマの実のなかの網棚に入っているタネは、
実がぶらぶら揺れているとタネの通路
ーーヘチマたわしに三つの穴がありますが、あれがタネの落ちる通路ですーー
を通って下に落ちてくると、その重みで実の先端がとれて、
タネがばらまかれるという仕組みになっているのでした。
科学雑誌にそのことを書きましたら、ヘチマの研究で有名な大学教授から、
大発見だと電話がかかってきました。
みなさん、ヘチマの実でタワシをつくりたくて、熟れるまえに採るので、
タネの旅を見ることができなかったのでした。 (111p)
ヘチマの先端からタネが落ちるのを目撃したなんていいですね。
こんなことを体験できる生活をしてみたいです。
以上で「足元の小宇宙」からの引用を終了。
今晩、図書館の返却ポストに返しに行きます。
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