「足元の小宇宙」(NHK出版)より/草露
今日は9月15日。
前投稿に引き続き、
「足元の小宇宙」(埴沙萠著/NHK出版)から引用。
夏の夜の宝石
夏の夜、草の葉さきに光る水玉は、
月の光に輝いて、宝石のようです。
夏の朝、草の葉さきに光る水玉は、
朝日の光に輝いて、太陽のしずくのようです。
雨の水玉が、空からおりてきて、土の中に入って、
草の養分になるいろいろを、溶かしこんで、
そして、根から草のなかに入って、
茎や、葉や、花に、送りとどけて、
シゴトを終えた水が、空へ帰ってゆく水の玉です。
草や木を育てるシゴトを終えた水は、
葉から排出されるので、この現象を「排水現象」と呼んでいます。
しかし排出されて葉さきに輝く、この宝石のような水玉には、
ふさわしい名前がついていません。
植物学者は「溢泌液(いんぴつえき)」と呼んでいます。
これは空中の水蒸気が冷えてできる露とはちがう水玉です。
埴沙萠は、「草露(くさつゆ)」と呼ぶことにしていますが、
この草露は夜だけでなく、昼も絶え間なく排出されています。
出るとすぐ蒸発するので見えないのですが、
葉にビニール袋でも被せておくと、水が溜まるのでわかります。
葉の上にのった雨の水玉と、露の水玉は、さわるとすぐ落ちます。
でも、葉のなかから出てきた水玉は、
葉をちょっと揺らしても落ちません。 (48~49p)
いい文章だったので、たっぷり引用してしまいました。
特に最後。
実際に葉を揺らしてみたいです。今朝にでも。
「花は、虫招きシゴトがすんだら、早くしおれたほうがいいんです。
人に摘まれないうちに」 (56p)
そうですよね。受粉したのに、人間に摘まれてはアウトです。
オオマツヨイグサが晩に咲いて朝にはしおれる現象についての
埴沙萠さんのコメントです。
写真・・・電子時代になって、
画像とかデータと呼ぶようになりましたが、
シャッターをおすだけで、撮りたいモノが撮れるのですから、
いい時代に生まれてきたと喜んでいます。
いまのカメラは、撮影者の気持ちを察知して、
カメラが撮影してくれます。
木や草の姿、輝きに、気持ちを集注してボタンを、
ちょっとおすだけで、絵画的描写も、文章的描写も、
写し取ってくれます。嬉しいことです。 (61p)
この感覚。たくさんの植物の写真を撮ってきた人が
感じる感覚なのでしょう。
前半部分はわかります。カメラに感謝です。
後半部分の感覚はまだわかりません。なんとなく・・・です。
まだつづく
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