「足元の小宇宙」(NHK出版)より/ケヤキのタネをとばす方法
今日は9月15日。
ちょっと前に話題にした本「足元の小宇宙」(埴沙萠著/NHK出版)を
読破しました。
地元の図書館から借りた本です。
印象に残った文は、ここに引用しておきます。
埴沙萠には、木や草とのつき合いが先にあって、
その美しさ、と言っても、花を見て「わあ~キレイ」と言うんじゃなくて、
生きていることの美しさ、生きる仕組みのすばらしさに惹かれて、
それを写真に撮っておきたいということで、
カメラと結びついたのですが、撮影しすると、
何だかその美しさが、自分のモノになった、そんな気になる。
だから、こうしていっぱい写真を撮っているんだと思います。
(16p)
「自分のモノになった」という気持ちはわかるなあと思いました。
(タンポポの)花びらがしおれて、タネができあがるころになると、
これまで花を護っていた、ひげのような萼(がく)が、
白い羽毛に変身して、タネのはいった実を、
遠くへ旅立たせるための、旅行用具になります。
無駄のない、すばらしい生長設計ですよね。 (36p)
実が熟れて、タネができあがって旅立ちの時がくるころには、
それまで花を護ってきた萼や、苞(ほう)、子房の皮などが、
旅行グッズに変身して、タネを遠くへはこんでくれます。
(86p)
旅行用具(グッズ)への変身は、
埴沙萠さんが何度か書いている発想です。
じっくり観察している人だから感じることなのでしょう。
ケヤキは葉っぱがタネを遠くに飛ばします↓
秋になるとケヤキの葉は黄葉して、そして散っていきますが、
枝先の実のついた梢の枯れ葉は、散らないで残っています。
あとでわかったのですが、実が熟れて旅だちの準備ができるのを
待っていたようです。
そして104ページ下の写真のように、
枯れ葉の腋(わき)に実がついた梢が、
枝から離れて、風にのって飛んでいきました。
枯れ葉が翼の代わりをしているのでした。 (103p)
すみません、画像まで載せました。
魅力的な文章・写真です。
(画質はうんと下げました。本物を見たい場合は本を手にしてください)
ケヤキは身近にあります。
毎朝、あいさつ運動で立っている場所の傍らにもあります。
今年の秋は、じっくり観察してみたいです。
つづく
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