「ら抜きことば」「レタスことば」「さ入れことば」いろいろあり
(前投稿のつづき)
「ら」抜き言葉に気をつけて書いていたらどうも違和感あり。
結局、「ら」抜き言葉の発祥地で、「ら」抜き言葉に慣れた身には、
「ら」が入った方に違和感があったようです。
1月4日から書き始めた「ら」抜き言葉関係の文章も今晩でキリにします。
明晩は市内の国語の先生たちに混じっての飲み会。
今回自分が勉強したことを話して、いろいろ教えてもらおうと思っています。
井上史雄さんの本から再び引用。
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ちょっと難しい本でしたが、次の部分はイメージが浮かんで納得できたところです。
「ら」抜き言葉以外に、「レタスことば」「さ入れことば」なるものがあることも知りました。
もう一つことばの変わり方について述べておきますと、
雲の動きのようなものだな、というふうに考えています。
秋の雲などは、一つ雲が行くと青空が出るのですが、
また別の雲が出てきます。
つまり一つずつ動いていくのですが、
ことばの変化もそんなもののような気がします。
「ら抜きことば」も、江戸時代以来の最初の流れ(読める、走れる)があって、
近代になって次の流れ(来れる、見れる)があって、
今、「ら抜きことば」がどんどんどんどん普及している。
そうしたら、こんどは「レタスことば」というのですが、
別の言い方(読めれる、見れれる)がまた出てきて、
今変化しつつある。
それから「さ入れことば」(歌わさせていただきます)というのも出てきている。
全部が一度にさっとかわるんじゃなくて、
少しずつ少しずつ動いていく、という気がします。
雲の動きも、じいっと見ているのはかなり難しいですけど、
ことばの動きもずうっと見ているのはかなり大変です。
でも、気づいてみると、
「あっ、もうこんなにら抜きが広がっちゃった」ってことに気づく。
そのときに気をつけていると、
「あっ、ら抜きとは別の言い方がまた出てきた」ということが分かる。
しばらく経つと、別の言い方が進んで、
もっと別の言い方が出てくるということがあるんですね。(192-193p)
こののんびりした様子がいいなと思います。
言葉の変化をこうやって観察し、変化を楽しめたらいいなと思います。
今まで言葉をあくせく使い過ぎていたのかも。
「この新しい言葉はいいな」「どこで生まれた言葉なのだろう」
「どうしてこの言葉は生まれたのだろう」
「この言葉は捨てがたい。古いと言われても使っていこう」などなど。
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