葛切りの原料は、堀り子さんの職人技でやっと手に入るものでした
今日は令和7年9月30日。
前記事の続き。
葛切りの原料は、道端に繁茂するクズの根っこ?
この疑問について調べました。
その解答はこのサイトにありました。
引用します。長いですが、私の疑問をスッキリ解決してくれています。
結論は、道端に繁茂するクズの根っこは、
葛切り(その原料の葛粉)の原料にはならないです。
お菓子や料理に材料として使う葛粉ですが、葛粉の原料は葛という大
豆の仲間・マメ科のつる草です。
夏の間に光合成をし、秋から冬にかけて地上部が枯れ落ちる頃に養分
がでんぷんとして根に蓄えられます。
根っこはいつでも土の中にありますが、葛粉を作るためには冬に掘り
に行かなければなりません。
また、葛はどこにでも生える植物ですが、地上部を刈り取られては光
合成ができませんので、定期的に草刈りされる空き地や川の土手の葛
ではでんぷんが蓄えられません。
それに、地面に生え広がる葛は節々から根を出してしまうので、養分
が分散されてしまい根が肥大化しません。
このような理由から、葛粉を作るためには数年放置された(手入れさ
れていない)雑木林で高い木々に巻き付いて上へ上へ伸び、
大きな樹幹を作っている葛を選ばなければなりません。
なので掘り子さんは冬になると山に入り、葛の根を掘り出すのです。
ね、書いてあるでしょう。
この引用文の中の「堀り子」がキーワードです。
この人たちの職人技で、クズの根っこは手に入るのです。
その様子をよく伝えるサイトを発見しました。
これはわかりやすい。
説明文もなかなかいいし、添えられた写真もいい。
興味のある人は、このサイトを見てください。
読みがいのあるサイトです。
ここでは部分的に引用します。
まずこの写真。
道端で見るクズの蔓なんて、太くて指ほどでしょうか。
でもこの写真を見てください。
人の腕ほどの太さ、いや、もっと太いか。
三輪のクズは、樹木に巻きつき、蔓は切断されることなく、
年々少しずつ太くなります。
30年以上、さらには50年以上になると、
蔓は写真のような太さとなり、それだけの年月によって
デンプンは蓄積し、巨大な根っこになるそうです。
今まで登山中に、木に絡みつく太い蔓は何度も見ています。
その中には、クズの蔓もあったのだろうな。
その時には蔓の種類を意識していなかったけど。
文章を引用します。
山道を数十分ほど上っただろうか、掘り子さんが立ち止まり前方を
指差す。寒根のツルを見つけたのだが、見るとそれは大人の腕回り
ほどの太さがあり曲がりくねった樹木にしか見えない。我々は、民
芸用品の籠などを作るせいぜい親指ほどの太さのツルを想像してい
たため、木と見間違うほどの太さに度肝を抜かれた。平地で見かけ
る葛は地面をはうように育ち、葉があたり一面を覆いつくしている
のが特徴だが、森の中ではツルが木に巻きついて育つため平地とは、
比べ物にならないくらいに成長するという。そして山の養分をたっ
ぷり吸収するため根も肥大化するというのだ。
ツルの太さから推定すると約30年前後の寒根だという。この下に
どれほどの“お宝”が眠っているのだろうか、期待が高まる。だが、
掘り子さんの話では、ツルの大きさがそのまま寒根の大きさに比例
するとは限らないという。長い間掘り子をやっていてもこればかり
は掘ってみないことにはわからないのだそうだ。また、地上に出た
ツルは立派でも、イノシシが寒根の頭の部分をかじったため根が腐
ってしまったものもあるという。イノシシも葛の薬効を知っている
のだと掘り子さんは言う。
寒根について。
クズの根っこを堀り子さんが掘るのは、冬。
葉っぱが作ったデンプンが、根っこに全て下りてきて蓄積するのは、
冬の根っこ。
だから冬に根っこを掘るのです。
その根っこを「寒根(かんね)」と呼ぶのでしょう。
掘り出された根っこは、堀り子さんが担いで山を下ります。
その時の写真。
人が入らないような山林で、年数を重ねたクズの蔓を見つけて
立派な根っこを掘り当てるのは、職人技と言えそうです。
私が初めに掲げた、
「葛切りの原料は、道端に繁茂するクズの根っこ?」という
疑問は、気持ちよくうち砕かれました。
この疑問のおかげで、堀り子さんの仕事を知りました。



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