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2025年1月30日 (木)

本「南海トラフM9地震は起きない」④ 大陸移動説を広めた「日本沈没」 

   

今日は令和7年1月30日。

  

1月19日の記事の続きで、

「南海トラフM9地震は起きない」

(角田史雄・藤和彦著/方丈社)

から引用していきます。

   

これまで指摘した数々の難問を前に、最近、地震学者から開き直りと

も受けとれる発言が出てきています。「プレート説は理論かと言えば

少し微妙で、証明するとかそういうものではなくて、こういう考え方

に則ると、いろいろなことが説明できるのだ」と言い始めているので

す。「プレート説は提唱されてから50年以上が経っているが、地球表

層の構造と現象を理解する上で非常に優れたパラダイムだから、プレ

ートが動く原動力がわからなくてもいいのではないか」、こんな主張

もあるぐらいです。原因と結果という因果関係を無視するようでは、

近代科学とは言えません。科学的に実証されていない観念形態をイデ

オロギーと言いますが、今やプレート説も1つのイデオロギーに成り

下がってしまったようです。

イデオロギーの意義を否定するつもりはありません。しかし、人の生

き死にに直結する地震予知が依拠する理論がイデオロギー化している

のは大問題と言わざるを得ません。

(46〜47p)

  

プレート説は危うくなってきているのですね。

教科書も変わってくるのかな。

  

Img_0387

(55p)

    

地震は地下の熱いところに密集し、冷たいところでは起こらないの

です。

マントルトモグラフィという可視化技術の進歩で、地下が高温から

中温であることが、地震が発生する必要条件だということがわかっ

たのです。

この図を見ると、マントルの状態が均一でないこともわかります。

「マントルには対流がある」とされてきたのですが、 図を見る限

り、マントルはまるで「アリの巣」のように、熱い部分と冷たい

部分が入り組んでいます。このことからわかるのはマントル対流

自体が存在しないということです。

マントル対流の代わりに6000度の熱がスーパープリュームから放

出され、浅い層へ送られた熱は、表層の中で熱を通しやすい部分

(例えば大きな割れ目など)に沿って移動していると考えられます。

プレート説が正しければ、地球の表面を100㎞ほどの厚さのプレ

ートが覆っているはずです。

しかし、マントルトモグラフィの画像によれば、プレートとおぼ

しき 「冷たい固い岩石層」がとびとびの状態で分布しているだけ

です。このような状態ではプレートのぶつかり合いが起こること

はないでしょう。

(56〜57p)

そうかあ、マントル対流すら怪しいんだ。

熱は垂直に上がってきており、上がりやすく熱い場所と、

上がりにくく冷たい場所があるのですね。

そして熱が上がってくる場所が地震が多い場所なのです。

     

プレート説を解説する一般向けの本が次々と出版されるなか、日本

のプレート説の普及に決定的な役割を果たす小説が世に出ました。

その小説は小松左京氏のSF小説『日本沈没』(光文社カッパ・ノベ

ルス)です。

1973年3月に出版されたこの小説は大ベストセラーになりました。

地殻変動で日本が海に沈む物語は、石油危機の勃発により経済の高

度成長が終わり、将来に対する漠然たる不安が広がる当時の日本の

雰囲気に合致しました。『日本沈没』はテレビドラマや映画にもな

り、大ブームとなりました。

小説の主人公は地震学者の田所博士。データを集めて「直感とイマ

ジネーション」で将来を予測する姿に、多くの人々が魅了されたの

です。

当時東京大学教授だった竹内均氏が映画『日本沈没』の中でプレー

ト説を弁舌爽やかに説明していました。

この本や映画のおかげで「地震はプレートの衝突と沈み込みで起き

る」という考え方が、日本国内に一気に広まったことは間違いあり

ません。

「長いものには巻かれろ」 ではありませんが、地質学での研究報

告でも、プレート説による説明が増え始めました。

(78〜79p)  

  

これは自分も振り返ると納得できます。

「日本沈没」の起こしたブームはすごかったです。

海溝に沈んでいく日本をフィクションとは思わずに、

プレート説を信じた自分がいます。

竹内均先生もよく覚えています。

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