「池上彰のニュースそうだったのか!食卓から世界を知ろうSP」の情報量
今日は令和4年5月12日。
5月7日に放映された「池上彰のニュースそうだったのか!食卓から
世界を知ろうSP」はどれくらいの情報量があるのだろうと、
ふと思いました。番組を見ながら、書き記してみました。
たった1時間ほどの番組なのですが、
その情報量は予想より多かったです。
それをここに書き写します。
膨大です。読むも読まないも自由です。
〇昨年の4月より値段が2倍以上になった食材とは。
玉ねぎ
玉ねぎ1kg 昨年4月237円→今年4月502円
北海道で玉ねぎの生産量は、全国の65%(2020年)
その北海道 昨年7月猛暑 雨不足 玉ねぎが成長しなかった。
太らない縦長の玉ねぎができてしまった。
〇バナナ1kg 昨年3月278円→今年3月282円
ほんの少し値上げされている理由は、原油の値上げに関係する。
原油輸入価格(1キロリットル)昨年3月4万1525円
今年3月6万6887円
バナナを黄色くするために石油を使っている。
黄色に熟したバナナを輸入してはダメ
害虫が寄生している恐れがあるため輸入禁止。食物貿易法。
バナナは原産地で青いまま収穫。
輸入後に日本の倉庫で追熟させる。
エチレンガスで熟成。石油由来のガス。
〇石油高で砂糖の値段も上がる。
砂糖1kg 去年3月198円→今年4月209円
石油高のためにバイオ燃料(バイオエタノール)に注目が集まる。
石油が上がれば石油に代わる新たな再生可能エネルギーに注目。
トウモロコシ、サトウキビからアルコールが作られる。
サトウキビがたくさん使われるようになり、砂糖の値段が上がる。
〇プロテインの値段も上がる。
プロテインはたんぱく質を補うもの。
中国の影響で値上がり。
プロテインの原料は「ホエイ」
チーズ製造時に分離される半透明の液体。
中国の爆買いでホエイが品不足。
中国では豚のえさに使われる。
中国 2018年 アフリカ豚熱の流行で豚の数が激減。
子豚の栄養をホエイで補っている。
〇牛肉の値段も上がっている
輸入牛肉(100g) 去年4月281円→今年4月322円
中国はもともと豚肉を食べていた。
食生活の変化で牛肉を食べるようになった。
中国 2020年 牛肉の輸入量が世界一
中国で、日本のような焼肉料理が流行。
中国が牛肉を爆買いしている。
日本は部位別で買う。中国は一頭買いをする。
輸出する側は、一頭買いのほうが手間がかからない。
日本より高く買う中国に、日本は買い負けをしている。
〇キウイの値段が上がっている。
キウイ1㎏ 2017年3月973円→今年3月1211円
キウイの生産量 1位中国 2位ニュージーランド
キウイの原産国は中国
中国 健康ブームでキウイの需要が増加
国内だけではまかなえない
ニュージーランドから輸入するようになった。
日本は買い負けをしてしまい、値段が上がる。
〇中国で納豆がブームになっている。
中国向けの納豆輸出量 5年で5倍にアップ
中国で納豆に健康食品のイメージが浸透。
納豆をサプリメントとしても食べる。
納豆の値段が上がってくるかも。
〇中国の影響で安くなったものもある。
ウニ 日本での漁獲量は例年通り。
国産生ウニ(100g)8000円→4月中旬3500円
中国上海のロックダウンの影響
上海は中国の貿易の窓口
2001年上海港コンテナ取扱量世界一
中国の厳しい規制 コロナ対策 港の機能停止
日本のウニの最大の輸出先は中国
輸出が止まった 国内に余った 安く売ろう
〇小麦粉値上がりしている。
昨年4月266円→今年4月302円 1㎏あたり
ロシアウクライナ問題が値上がりに関係しているが、
現時点では、日本には大きな影響を及ぼしていない。
日本は輸入する小麦は、政府がまとめて買い付ける。
そして価格を決めて製粉会社などに売るやり方。
小麦の売り渡し価格は、年に2回改定され、4月に17,3%値上げ。
小麦の輸出国(2020年)1位ロシア 5位ウクライナ
日本はどこから小麦を買っているか。
アメリカ(約44%)カナダ(約35%)オーストラリア(約21%)
昨年、アメリカ、カナダの高温乾燥による不作が原因で値上がりした。
10月の改定で、小麦はもっと値上がりするかも。
〇小麦の代わりに注目されているのが米粉
お米を細かく粉砕して粉状にしたもの。
昔からお団子、おせんべい、和菓子に使われてきた。
製粉技術の発達で、粒子の細かい米粉が作られるようになった。
そのおかげでパンや麺類で使われることが多くなった。
小麦が高くなってきたので、米粉を使おうとする動き
まだ米粉のほうが高い。
1kgあたり 小麦粉304円 米粉500円
〇いくら 日本はロシアからたくさん買っていた。
経済制裁でロシアに送金できない 輸入減少。
その分、いくらの値段が上がってきている。
〇輸入サーモン(生鮮冷蔵もの)
ノルウェー産が約9割 その輸入量が3月ごろに減少した。
回転寿司屋で一時販売休止になるほどの品不足
ロシア上空を飛行機が飛べなくなった。
北極回り、中東周りになる。3割ほど値上がりした。
鮭とサーモンの違いは?
天然の鮭 プランクトンがまれに寄生虫を食べている。
鮭=過熱が必要
サーモン=生食用に養殖されているもの
鮭の国内漁獲量トップは北海道
日本の領海で獲れる鮭でもロシアの許可が必要。
排他的経済水域(200海里水域)
自国の沿岸から約370㎞ 自由に漁が可能
しかしここで獲れる鮭は、ロシアの川で生まれた鮭が多い。
国連海洋法条約「川で生まれて川に戻る魚は、
原則生まれた川の国が利益と責任を持つ」
ロシアの鮭を獲るのだから、それだけの金を払わなくてはならない。
毎年、日ロさけ・ます漁業交渉が行われる。
漁解禁前に漁獲量の上限などを決める。
今年は遅れた。4月末にようやく交渉が妥結。
交渉の結果 漁業協力費(漁業実績によって金額を決める)
2億円~3億16万円。
〇経済制裁で、ロシアからの輸入禁止
木材 自動車 バイク 酒 家電
実は水産物は入っていない。禁止していない。
水産物は、国内の加工業者、外食産業などへの影響を配慮して
経済制裁を見合わせた。
〇食料自給率
とんかつ定食で見てみる。
米97% 大豆6% 豚肉50% 小麦15% 卵97%
米農家を守るために、日本は米の輸入には高い関税をかけている。
高い関税をかけているペナルティで、
一定量の米を輸入しなくてはいけない。
そういう国際ルールがあるため、自給率が100%にはならない。
輸入される米は、主におせんべいなど加工用に使用。
〇日本のイメージだけど「実は外国産」のもの。
日本のイメージだけど、自給率が低いもの。
そば そばの自給率は約20%
みそ・しょうゆ
天ぷら
大豆などが原材料の油の自給率は13%。
〇コロナ禍 次のような考え方が重要になってきた。
「食料安全保障」
全ての国民が現在から将来にわたって良質な食料を合理的な価格で
入手できるよう保証すること。
自然現象(干ばつ、水害、噴火など)で輸入が難しくなる可能性がある。
戦争によっても安定的に食料が手に入らないこともある。
食料自給率を高めることで、食糧安全保障につながる。
〇日本全体の食料自給率はどれくらいか?
答えは2つある。
カロリーベースだと37% 生産額ベースだと67%
何を基準にするかで自給率は変わる。
食料自給率は3つある。
カロリーベース・・食料から得られるエネルギーを基準に換算
(1人1日あたり)
生産額ベース・・・日本で消費される食料の金額を基準に換算
(年間)
重量ベース・・・・食料の重さを基準に換算
品目別の自給率は重量ベースを使う。
国全体としては、カロリーベースと生産額ベースを使う。
人件費や大量生産の難しさなどで国産品は割高の傾向がある。
日本は他国に比べてカロリーベースは低いが、
生産額ベースはそれほど低くない。
カナダのカロリーベース 266%
オーストラリアのカロリーベース 200%
アメリカ、フランスも100%超え 輸出しているということ
フランスも農業大国
〇食料によっては自給率が下がっているものがあり。
1965年 牛肉95%→ 2020年 36%
豚肉100%→ 50%
鶏肉97%→ 66%
魚介類100%→ 55%
なぜ自給率はここまで下がったのか
①食生活の変化
②第一次産業の衰退
牛肉とオレンジはかつて輸入されていなかった。当時は高かった。
牛肉の輸入自由化は1991年から。
エサは外国に頼っている日本。
エサの自給率=飼料自給率
飼料自給率を反映した自給率 悲惨な自給率
牛肉 9% 豚肉 6% 鶏肉 8%
卵の自給率 97%だが、飼料自給率を反映すると12%
家畜のエサ トウモロコシ 輸入に頼っている
〇単純に国産を増やせばいいわけではない。
すべて国産にすると食費が上がる。
自給率は食費とのバランスをとるのが大事。
国の食料自給率の目標 2030年までに
カロリーベース 37%→45%に
生産額ベース 67%→75%に
輸入と備蓄もしながらできるだけ国産にしていく。
※残り数分の内容は省略。
1時間の番組は、その気になる情報量がたっぷりだと思いました。
でもこうやって打ち込んだので思い出したけど、
一回見ただけでは忘れてしまうことが多いです。
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