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2022年5月22日 (日)

本「マリアビートル」読破/味わったことのないタッチの小説

       

今日は令和4年5月22日。

   

「マリアビートル」(伊坂幸太郎著/角川書店)

を読みました。

読むきっかけになったのは、「週刊ザテレビション」

5月13日号のこの記事です。(☟ 画像をクリックしてください)

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きっかけはあちこちにあります。

きっかけを大事にしました。

  

10年ほど前のベストセラー小説らしく、

図書館で借りた本も、年季が入った本でした。

たくさんの人が手にしてきた本だと想像できました。

  

私にとっては、味わったことがないタッチの小説でした。

こういう新しいものに触れるのは、

前頭葉にもいいことだろう。

和田秀樹さんも勧めていたと思います。

  

引用していきます。

  

甲高い走行音がだんだんと静かになる。進行方向に向かい左側が、降

車口らしかった。扉の向こうが明るくなる。洞窟内に急に未来都市が

出現したかのような唐突さで、ホームが姿を見せた。客がちらほら目

に入る。後方に流れていく。階段やベンチ、電光掲示の時刻表などが

左へと消える。

(29p)

   

地下のホームに電車が滑り込む時の表現。

「未来都市」とはいい例えだと思いました。

  

  

ちょうど逆側を、東京行きの新幹線が向かってきて、すれ違う。車体

が振動する。あまりの速さに、その外観も把握できない。速度の迫力

に、王子は静かに興奮した。時速二百キロを超える巨大な乗り物を前

に、人は無力だ。たとえば、前方の線路上に誰かを、何者かの人生を

ぽんと置けば、いとも簡単に、あとかたもなく粉砕されるだろう。そ

の、圧倒的な力関係に魅力を覚えた。

(37p)

  

人生をぽんと置く発想はしたことがなかったけど、

人間なんかひとたまりもないなとうっすら感じたことはあります。

その感覚を文章にしてしまう。さすが小説家。

  

  

「ほら、たとえば、『アトミック・カフェ』って映画があるでしょ。

有名なやつ。核兵器を利用した作戦練習みたいなのが映っていて。核

爆発を起こした後で、兵士がそこに歩いて攻めていく、って練習だよ。」

(214p)

  

核爆発をした後に、その爆心地に兵士が向かう練習を描いた映画といえば、

私が思い浮かぶのは「ナイトブレーカー」(1989年)です。

「アトミック・カフェ」という映画もあるのか。調べました。

Wikipedia アトミック・カフェ

1982年の映画。

1984年には日本でアトミック・カフェ・フェスティバルが

行われています。この映画由来のフェスティバルだそうです。

「音楽を通じて反核・脱原発を訴えていく」がテーマの

イベントだったそうです。

う~ん、よく音楽を聴いていた時代だけど、覚えがありません。

フェスティバルの登場歌手がすごい。

尾崎豊、浜田省吾、ザ・ブルーハーツ、エコーズなどなど。

その時代に戻って、フェスティバルを味わってみたいと思いました。

この映画とどこかで出合いたい。

  

  

「いいことを教えてやるよ」木村は銃をぐっと上げ、中学生の眉間

に銃口を定める。「六十年、死なずにこうやって生きてきたことは

な、すげえことなんだよ。分かるか?おまえはたかだか十四年か十

五年だろうが。あと五十年、生きていられる自信はあるか?口では

何とでも言えるがな、実際に、五十年、病気にも事故にも事件にも

やられずにな、生き延びられるかどうかはやってみないとわからね

えんだ。」

(445p)

  

その60年は生きました。

そこんところは木村と一緒に胸を張りたいです。

目標は100歳です。ハレーすい星をもう一度見るのが、

私の人生の最終目標。

生き延びられるかどうかは、やってみないとわからない。

  

  

あとがきに次のように書いてありました。

  

言うまでもなく、このお話は架空の物語ですから、実存する人物、

団体とはまったく関係がありませんし、参考文献や教えていただい

た情報をもとに、僕がでっち上げた部分もたくさんありますので、

どうかそのようにご理解いただければと思います。

また、お話の舞台として、いつも利用する東北新幹線を使ってしま

いましたが、現実には、こういった物騒なできごととは無縁です。

くしくも、来年には新しい新幹線も登場し、東北新幹線の車両にも

いろいろな変化がありそうですし、この物語は、「存在しない新幹

線」が走行する、現実とは異なる世界でのお話、と解釈していただ

けると幸いです。

(465p)

  

楽しいあとがきです。

この小説の東北新幹線はとっても物騒でした。

映画でどう表現されるのか。

  

「シン・ウルトラマン」「大河への道」

そして「ブレット・トレイン」

映画館で観たい映画が増えました。

公開日は8月5日。

映画『ブレット・トレイン』予告1 2022年 全国の映画館で公開

  

   

新しいタッチの小説を読んだ後は、

おなじみの千野隆司著「おれは一万石」シリーズ。

今度が12冊目。

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