「新ドキュメント 太平洋戦争1941第1回開戦~前編~」①
今日は令和4年4月5日。
昨年12月8日放映の「NHKスペシャル 新ドキュメント
太平洋戦争 1941 第1回 開戦 ~前編~」を見ました。
久々聞き書きをしてみたいと思いました。
実行します。
ナレーター:人々の本音がSNS上で飛びかう現代。もし80年前、
太平洋戦争の時代にも、SNSがあったのなら、人々は何をつ
ぶやいたのであろうか。今、研究者たちが注目するのが、戦時
中に個人が記した言葉の数々、エゴドキュメントだ。
膨大な言葉を、AIで解析、激動の時代を生きた日本人の意識
の変化をとらえようとしている。
研究者:意外だったのは、反米論が高い時期があるな
ナレーター:1941年12月8日に始まった太平洋戦争。長きに
わたった戦争で国は焦土と化し、日本人だけで310万の命が
失われた。なぜリーダーたちは、判断を誤ったのか。そして、
なぜ多くの市民が大国との戦争に熱狂したのか。それを解き明
かす鍵が、近年発掘が進むエゴドキュメント。個人が綴った日
記や手記だ。表現の自由が制約された時代、誰にも言えなかっ
た本音が、記されている。
会社員や学生などの市民、最前線の兵士、国の舵取りを担う指
導者たち、一人ひとりの視点から新たな戦争の姿が、浮かび上
がる。
研究者:100人いれば100人の戦争が合わさって、この戦争に
なってしまった。つまり、一人ひとりの違う戦争を知ることで、
我々の今のリアリティーに近づけることができる。
ナレーター:個人の視点から、歴史のうねりを追体験していく、シ
リーズ「新ドキュメント 太平洋戦争」第1回は「開戦」
国家を破滅に導く戦争の入り口で、日本人の多くは歓喜した。
日記「万歳と大きく叫びながら、駆けだしたいような衝動を受けた。」
日記「愛国的な民族的な大きな気持ちに支配されてしまった」
日記「血わき、肉躍る思いに胸がいっぱいになる。爆弾など当たら
ないという気で一杯だ。」
ナレーター:しかし、時計を巻き戻すと、開戦の前年、社会には戦
争と程遠い空気が漂っていた。都市部ではアメリカブームに湧
き、ハリウッド映画やジャズが流行した。
国の指導者たちも、国力で圧倒的にまさるアメリカとの戦争を
避けようとしていた。なぜわずかな期間で、急激な意識の変化
が生まれたのか。
開戦の前年から、太平洋戦争に至る道のりを、市民と国の指導
者のエゴドキュメントからさぐっていく。
日記「住代ちゃん、昭和15年2月6日、あなたは高らかに産声を
あげました」 「すやすやと眠っているあなたを見ると、ママ
は涙ぐましい程の感激にふるえて、胸はゴムまりのように弾ん
でなりません」
ナレーター:東京、四ツ谷に住む金原まさ子さん。開戦前年の2月、
一人娘の住代ちゃんが生まれたことで育児日記を書き始めた。
日記「4月18日。おっぱいを出そうとして、この暖かいのに、昨
日も今日もすきやき。」「住代ちゃん、あくびをする時の、甘
い甘い息の匂い、ママは大好きなり。」
ナレーター:一人一人の言葉、エゴドキュメントから、当時を生き
ていた人々の息づかいが聞こえてくる。開戦前夜、都市部では、
戦争とは程遠い、豊かな暮らしがあった。
日記「野球見物。イーグルスがタイガースに勝った」
日記「今日は宴会だ。2次会で街の飲食店にて、騒ぐのが目的である」
ナレーター:大阪で精米展を営む井上重太郎さん。子どものために、
大きな買い物をしたことが記されていた。
日記「ピアノの如きは、贅沢品ではあるが、一家の慰安として、身
分に過ぎるかもしれぬが、買うことにしたのである」
ナレーター:当時、ピアノの金額は公務員の初任給、8カ月分。日
夜仕事に励み稼いだお金で、やっと手にした宝物でした。
現在と変わらないように見える穏やかな人々の営み。それがな
ぜ、アメリカとの戦争に歓喜するまでにいたったのか。
日本人の心境の変化に迫ろうと、全国600か所の資料館や個
人宅を回り、日記を探した。会社員、学生などの市民、国の指
導者など、男女合わせて250人以上。人びとの心の内が記さ
れたエゴドキュメントだ。
今回それをAIに読み込ませ、SNS上のつぶやきに見立てて
解析。投稿数に換算すると12万件のデータから、心の変化を
読み解いていく。
研究者:どこの時点で何を考えて、どこで変わったのかということ
を、追っていける。かなり意味のある大きなデータかな。
ナレーター:SNSのトレンド分析をモデルに、日記のテキストを
分解。単語の数は630万語に達した。それをジャンルごとに
分け、頻繁に登場するものほど、大きくビジュアル化する。
1940年代の前半、市民の関心の最も大きく占めているのが、
「生活」だ。その中の「食」をのぞいてみよう。「オムレツ」
「ポタージュ」「アイスクリーム」「マカロニ」そして「ビフ
テキ」多彩なメニューを楽しんでいたことが、うかがわれる。
しかし、この年の後半、食生活に変化が起こる。「代用品」
「配給」「外米」一転して不自由さを示す単語が現れ始めた。
今朝はここまでにしよう。時間はかかるけど、聞き書きすることで、
番組をじっくりと味わう気持ちになります。ここまで番組6分間の
聞き書きでした。
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