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2021年6月19日 (土)

「身分帳」を読む/次は映画「すばらしき世界」

    

今日は令和3年6月19日。

  

この本を読みました。

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「身分帳」(佐木隆三著/講談社文庫)

   

この本を読むきっかけは、

「スクリーンが待っている」を読んだことです。

ここでも道草 「スクリーンが待っている」①(2021年5月7日投稿)

映画監督の西川美和さんの本でした。

西川監督の最新作の映画「すばらしき世界」の原作だと知って

読みたくなりました。実行しました。

なんと、その映画が昨日から

ネットで見ることができるようになりました。

映画も近日中に見たいです。

映画を見る順番では「北の零年」を見たら、

「すばらしき世界」を見ます。

ここでも道草 映画「北の零年」を観たい(2021年5月17日投稿)

   

  

本からの引用をします。

今回「身分帳」は復刊されました。

本の最後には「復刊にあたって」と題して

西川さんが文章を寄せています。

   

そこからの引用です。

   

主人公は十三年間の獄中生活を経て旭川刑務所を出所し、人生の再

スタートを切ろうと東京暮らしを始めるが、切符を買うにも電車に

乗るにも、浜に戻った浦島太郎のごとくぎこちなく、窓口の係の口

ぶりひとつにも、過去を咎められた気になって過敏に触れてしまう。

普通の人にしてみれば「凡々たる日常」であるものが、裏社会と塀

の中でしか生きてこなかった主人公には衝突と挫折の連続で全く凡

々と進まないのだ。

(450p)

  

確かに「身分帳」を読んでいて、

この衝突と挫折はじれったいほどでした。

   

  

山川が体制側から受けた理不尽な仕打ちについても仔細に書かれて

はいるが、刑務所の職員にも、役人にも、警察にも、裁判官にも、

隣人たちにも、お定まりの冷遇をされる局面もあれば、意外な情を

かけてもらえる瞬間もある。山川が読み手の願い通りにすんなり立

ち直ってくれないのと同じ分だけ、世間の方も冷たいばかりではな

い。けれどもそれこそが社会の複雑さであり、生きていくことの難

しさと楽しさではないか。

(452p)

   

そうそうと思いながら読みました。

読み手の願い通りにすんなり立ち直ってくれないけど、

世間も捨てたものではないという場面もありました。

西川監督は、そんな世間を映画で表したかったのでしょうか。

   

映画「すばらしき世界」が楽しみです。

Photo

ワーナーブラザーズ
  

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