どうやって社会科を教えたらいいのか 今年度の実践から/番画〈135〉
今日は令和3年3月10日。
中学校の特別支援学級で社会科を教える。
通常学級のようにはいかないいろいろな理由があって、
新興出版社の「ひとつずつ すこしずつ ホントにわかる」
シリーズを利用してきました。
※ここでも道草 教科書代わりに「ひとつずつ すこしずつ ホントにわかる 中学歴史」を利用し始めた(2020年8月23日投稿)
☝ この記事によると、使い始めは昨年の8月17日でした。
年度末まで使ってきましたが、本当によかったかどうか。
使ってみて思ったのは、このテキストはあくまで、
教科書の内容を端的にまとめたものです。
いきなりこのテキストを使って勉強するのは
いいのだろうかと疑問に思いました。
たとえば室町時代の日明貿易について。
教科書には次のように書かれています。
「新編新しい社会 歴史」(東京書籍)より引用します。
日明貿易
14世紀には、東アジアでも大きな変動が起こりました。中国では、
元が国内の混乱などでおとろえると、漢民族の明が建国し、モンゴ
ル民族を北に追い出しました。元がおとろえることから、西日本の
武士や商人、漁民の中には、集団を作って貿易を強要し、船をおそ
い、大陸沿岸をあらす者が現れ、倭寇と呼ばれていました。
足利義満は明の求めに応じて倭寇を禁じる一方、正式な貿易船に、
明からあたえられた勘合をいう証明書を持たせ、朝貢の形の日明貿
易(勘合貿易)を始めました。
この明との貿易では、日本は刀や銅、硫黄、漆器などを輸出し、か
わりに銅銭や生糸、絹織物、書画、陶磁器などを大量に輸入したの
で、日本の経済や文化は大きな影響を受けました。
(80p)
「ひとつずつ すこしずつ ホントにわかる」では次のように
なっています。☟
テキストのまとめを見ただけで、理解するのはやっぱり難しい。
教科書を勉強するのは無理だからと思って、
教科書を使わずに、
「ひとつずつ すこしずつ ホントにわかる」を
教科書代わりに使ってきました。
しかし、教科書の文章は大事だと思うようになってきました。
教科書を音読することは、通常学級の授業でやっていました。
教科書を読めるのは重要な力です。
※ここでも道草 「AI vs 教科書が読めない子どもたち」からの引用/RST(2018年6月10日投稿)
☝この本を読んで、その思いを強めたはずです。
教科書の文章を読んでこそ、
端的にまとめたテキストは活きると思いました。
いきなり端的にまとめたものを見たのでは、
理解が難しいと思いました。
テキストが取り上げた部分だけ教科書を読んで学習し、
その後でテキストのまとめを見て、問題も挑戦する。
テキストに取り上げられていないことは省略します。
教科書の見開き2ページには、「日明貿易」以外に、
「朝鮮との貿易」「琉球王国の成立」「アイヌ民族の交易」が
ありますが、読みません。
昨年の8月からテキストを使ってきて、そんなことを思いました。
結論は教科書の音読を継続して授業で行うことをプラスすることです。
視覚教材を見せる時間を減らしてでも。
最近はとっても便利です。
動画を探れば、わかりやすく説明してくれるものがあります。
日明貿易・日朝貿易を説明してくれている動画です。☟
YouTube: 【日本の歴史26】日明貿易(勘合貿易)と日朝貿易(室町時代②)について東大卒の元社会科教員がわかりやすく解説【日本史】
とても勉強になりました。
勘合貿易は、日本側からの提案ではなく、
明に主導権はありました。
これも番画の1本。
〈135〉番目の番画です。
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