2冊読み終えました「白い馬」「LOW LIFE」
今日は令和2年7月5日。
今日は2冊の本を読み終えました。
読破というよりは、絵を見たという感じの2冊です。
「白い馬」(東山魁夷/絵 松本猛/文・構成 講談社)
この本を見るきっかけは、この記事に書いたことです。
※ここでも道草 「生きるぼくら」① 東山魁夷「緑響く」(2020年5月24日投稿)
画集のような本です。
表紙の絵「緑響く」は、部屋にずっと飾っておいても、
見飽きない絵だと思います。
この本は図書館で借りたのではなく、購入しました。
しばらくは見えるところに、この本を立てかけておこうと思います。
「LOW LIFE」(大嶋宏和著/GOT)
マンガ本です。
表紙に描かれた人たちが主人公の8つのストーリーと、
マンガ評論家の解説つきの本です。
「歩(ほ)っこりハイキング」というストーリーの
解説がよかったです。
この作品は本書の中でも他の曖昧なストーリーと違い、明確な構
造で作られている。それはよく物語の基本とされる「行って帰って
くる」構成だ。主人公のおじさんは、退屈な日常から抜け出そうと
ハイキングツアーに参加し、充実した時間を過ごして帰ってくる。
ただし基本的な物語なら、その「行って帰ってくる」冒険の中で何
か報酬を得たり、成長したり、学んだりして戻って来るのだが、こ
のおじさんは本当に「行って帰って来た」だけだ。ラストで奥さん
に向かっていかにツアーが充実したかを語っているが、実際山頂で
の彼は退屈そうに時間を持て余してした。きっとおじさんは明日か
らもまたヒマそうに自転車を走らせているのだろう。
ドラマがあったのは彼以外のツアー参加者で、帰りのバスで談笑
する彼らの輪に、何もしなかった主人公は入ることができない。何
かに期待したって望むものが手に入るとは限らない、人生なんてそ
んなものだ、と作者が言っているようなシーンだ。このテーマは彼
の他の作品でも繰り返し出てくるもので、このおじさんとツアー参
加者達の対比を描くために「行って帰ってくる」構造を使ったのだ
ろう。
なるほど。
解説を読んで、そこまで考えた構成の作品なんだと気がつきました。
「人生そんなものだ」
だから、無理せず気楽にいこうと読み解きたい。
この解説が気になった方は、ぜひこの本を手に入れて、
見てみてください。
作者のデビュー本。
ほっておけない作者です。
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