「世界」(2020年5月号)② ICT活用でインクルーシブ教育を実現
今日は令和2年4月22日。
前記事に引き続き、
「世界」2020年5月号(岩波書店)より引用します。
元文部科学事務次官の前川喜平さんが、
「教育政策と経済政策を区別せよ/
GIGAスクール構想の行方をめぐって」というタイトルで
記事を寄せています。
その中で印象に残った文章を引用します。
ICTの活用は、障がいの有無にかかわらず「ともに学ぶ」イン
クルーシブ教育の実現の上でも重要だ。様々な障がいがICTで克
服できる。それを積極的に実現することは教育行政の責任だ。「合
理的な配慮」という言葉が子どもたちを「分ける」ための口実に使
われてはならない。ICTの発達によって「合理的な配慮」は日々
拡大し、ともに学ぶ環境は広がる。
(168p)
特別支援学級の児童に効果的にICTを活用しているのが、
井上賞子先生です。
こうやってICTを使えばいいんだと思わせてくれたのが、
昨年のセミナーでした。
先に書いたように、この夏、オンラインで井上賞子先生の
セミナーを再び聴くことができます。
8月13日です。
絶対実践に結びつけたいと思います。
インクルーシブ教育を実現するだけでなく、
インクルーシブな社会を実現したいですね。
ICTはもはや現代社会には不可欠だ。一般の職場ではとっくの
昔に実現している情報端末一人一台の環境が、未だ学校に無いこと
の方がおかしい。文明開化の時代、学校は先進文明への窓口だった。
未来を生きる子どもたちには、学校こそ先進分明に触れる場でなけ
ればならない。パソコンなどの情報端末は、すでにノートと筆箱と
同じような文房具だと言っても過言ではない。学校での「一人一台」
の先には「BYOD(Bring Your Own Device)の時代が予想され
る。情報端末は「教育」ではなく「学習」のための道具となる。
(168p)
そうです。教師もタブレット端末は文房具であって、
それを使って、生徒に身につけさせたいことがあるのです。
その気持ちを忘れずに。
使い方で振り回されないようにしたいです。
まずは、教師たちの負担感や抑圧感を取り除くことが必要だ。「学
び続ける教師像」は大事だが、それは教師たちを上からの研修漬けに
することではない。自由に学ぶ時間を確保することこそが重要だ。I
CTは教師も学ぶことが必要になる。
EdTechとして宣伝される様々な学習方法については、ICT企業
のセールストークに惑わされず、踊らされず、あくまでも教育者の座
標軸を失わず、冷静に吟味しながら学んでほしい。
(171p)
もう定年まで2年弱になってしまいましたが、まだ勉強したいです。
ICTを使って、目の前の生徒の力を伸ばしたいです。
(う~ん、書きながらテンションが上がってしまいました)
※EdTechについては次の記事へ
およそ教育には、人類が過去に積み重ねてきた学問や文化を次の世
代に継承するという目的と、未来を生きる子どもたちに自分たちの人
生を切り開き自分たちの社会を作っていく力を与えるという目的とが
ある。教育は過去と未来とのはざまにある。だから学校には「過去の
人」も存在していい。「自分はアナログ人間だ。ICTなど不要だ。
本とノートと黒板があれば十分だ」という教師もいていい。デジタル
世代の若い教師が増えているのは一つの僥倖(ぎょうこう)だ。未来
志向の教育は若手に任せ、年長の教師は過去を伝える仕事に専念する
という、世代間の役割分担もあっていいではないか。
(171p)
文中の「年長の教師」はまさに自分のことです。
でも「過去を伝える仕事」には専念できませんね。
「過去を伝える仕事」もしつつ、ICTも使いこなしたい。
つづく
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