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2020年3月29日 (日)

「美しき愚かものたちのタブロー」② もう2人の主人公 田代雄一 日置紅三郎

  

今日は令和2年3月29日。

  

前記事に引き続き、

美しき愚かものたちのタブロー」(原田マハ著/文芸春秋)

より。

  

とにかく、松本幸次郎は、田代がそれまでに会ったどんな人物とも

違っていた。世界を渡り歩いて仕事をする姿勢も、桁外れの財力も、

とことんまっすぐな性格も。

また、非常に強い好奇心の持ち主であることもわかってきた。知ら

ないことは、是非とも知りたい。行ったことがないところには、率

先して行ってみたい。やったことがないことならば、まずはやって

みたい。この好奇心こそが、松方幸次郎の核心となって彼をかたち

作っている。

そして、その好奇心が常に新しい体験を求め、それを吸収し、日々

学んでいるのだ。

経験を重ねたからといって老獪(ろうかい)にならず、「面白いじ

ゃないか」と少年のように心躍らせることを恥じない。

普通は、なかなかそうはいかない。経験を積めばずる賢くもなるし、

大のおとなが欣喜雀踊(きんきじゃくやく)するなど恥ずかしくて

きるものではない。

(174p)

  

好奇心は大事ですよね。

「欣喜雀躍」は初めて見た四字熟語。

  

  

1891年、父・(松方)正義が内閣総理大臣に就任し、第一次松

方内閣を組閣する。松方は首相秘書官となり、父を政務を支えるこ

とになる。

しかし第一次松方内閣は短命であった。組閣直後に来日中のロシア

皇太子が巡査に襲撃される「大津事件」が発生、いきなり冷水を浴

びせられた。翌年の総選挙も混乱をきたし、結果、わずか1年3カ

月で松方内閣は退陣となった。

(200p)

  

社会科教師だと、こういう文章に反応してしまいます。

「大津事件」について復習。

Wikioedia 大津事件

こんな文章がありました。☟

 

小国であった日本が大国ロシアの皇太子を負傷させたとして、

「事件の報復にロシアが日本に攻めてくる」、

と日本国中に大激震が走り、さながら「恐露病」の様相を呈した。

学校は謹慎の意を表して休校となり、神社や寺院や教会では、

皇太子平癒の祈祷が行われた。ニコライの元に届けられた

見舞い電報は1万通を超え、山形県最上郡金山村(現金山町)では

「津田」姓および「三蔵」の命名を禁じる条例を決議した。

  

 

皇太子を襲った巡査名が、津田三蔵でした。

この時にも学校は「休校」していました。

ほらほら、おもしろい歴史の勉強ができました。

  

   

林忠正(はやしただまさ)

(240p)

  

19世紀末にパリに本拠地を置いた画商。

原田マハさんの「たゆたえども沈ます」の主人公が

このページに名前が出てきました。

  

(松方幸次郎は)とにかく机上の空論が嫌いなのが性分である。や

るとなったら 実現のために自分が動き、廻りも動かす。それが松

方のやり方であった。

(247p)

  

私も、思いついたら、なにか始めないと

気が済まないところはあります。

これはいい性分だと思っています。

廻りを動かすところまで行くのは簡単ではありませんが。

 

  

この小説の主人公は、3人です。

松方幸次郎と、田代雄一、日置虹三郎です。

松方幸次郎は実在する人物ですが、

あとの2人はどうなのだろうと思っていました。

そしたら次のサイトが参考になりました。

なぎさの書籍紹介 原田マハ『美しき愚かものたちのタブロー』ほぼ実話!国立西洋美術館設立までの冒険

実在した人物がモデルのようです。

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