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2020年2月 3日 (月)

「バナの戦争」② 来る日も来る日も、爆弾、爆弾、爆弾

  

今日は令和2年2月3日。

  

前記事に引き続き

バナの戦争」(バナ・アベド著/金井真弓訳/飛鳥新社)

より引用します。

  

この本は、バナとお母さんの共同執筆です。

  

【バナのお母さん】

バナ、知っていた?アレッポは世界でももっとも古くから人が

住んでいた街のひとつなの。何千年ものあいだ、私が歩いてい

るのとまさに同じ場所を歩いてきたまさに同じ場所を歩いてき

た先祖たちとのつながりを感じると、気持ちが安らいだ。

アレッポ城にはいつも家族連れの恋人たちがたくさんいて、そ

の日も早春の一日を楽しんでいる人々でいっぱいだった。ごく

ありふれた、平和な毎日ーーー戦争が起こる前はそうだったの。

パパは仕事に行き、私は買い物をしてアベドおばあちゃんが料

理するのを手伝う。そして、夕食後は家族みんなで近所を散歩

したものよ。

今ではとても考えられない日々だけど、私たちはそんな毎日が

続くのがあたりまえだと思っていた。自分たちが歩いている場

所が、何世紀もそこにあった建物が、まもなく何もかも壊され

てしまうなんて、想像すらできなかった。

(13~14p)

  

舞台はアレッポ。歴史を感じることが出来た街に爆弾が落ちます。

  

  

【バナのお母さん】

あなたの名前はアラビア語で「木」という意味よ。強い女の子

になってほしかったから選んだんだけど、バナ、あなたはその

とおりの女の子ね。

(16~17p)

  

  

【バナ】

そのときから来る日も来る日も、爆弾、爆弾、爆弾。大きな飛

行機がいくつも空を横切ってきて、あっちにもこっちにも、ど

こにでも爆弾を落とした。飛行機がうんと低く飛んでいて、パ

イロットの顔が見えることもあった。

あの人は知っていたのかな?

自分が人を傷つけ、殺してるんだっていうことを。絶対知って

た。でも、どうしてそんなことできるの?

(36p)

  

【バナ】  

戦争を経験したことがない人は、爆弾にはひとつの種類しかな

いと思うかもしれない。でも、実際にはいろいろちがった爆弾

があるの。わたしは覚えが早いから、すぐわかるようになっち

ゃった。

どんな音がするかで、種類がわかる。

笛みたいに長くて甲高い音がして、大きくドカーンと鳴る爆弾。

車のエンジンがふかされるみたいな、ブーンブーンという音が

してから、ドカンと鳴る爆弾。

それから、落ちてくる間じゅう、バッ、バッ、バッと音がして

いる爆弾。これはクラスター爆弾(たる爆弾)で、小さな弾が

いっぱい入った大きな爆弾。地面にあたると、するどい破片が

一面に飛び散るの。

静かな爆弾もある。ほとんど何の音もしなうて、ドカーンと鳴

ったら空を明るい黄色に照らす爆弾。空を明るくする光はリン

と呼ばれるものよ。

(38~39p)

  

以前読んだ「シリア内戦」にも何度かでてきたたる爆弾。(樽爆弾)

※参考:ここでも道草 「シリア内戦」① 物理的な達成感も味わった本(2020年1月19日投稿)

動画がありました。

一つの爆弾から広範囲に小さな弾が飛び散って爆発する様が

見てとれます。


YouTube: クラスター爆弾を投下するロシア軍 着弾映像 シリア空爆

Photo_3

  

そしてリンが光る爆弾。白リン弾。

Wikipediaによると、白リン弾は照明効果、焼夷効果があるそうです。

次の動画を見ると、落下した街では延焼が起こっています。


YouTube: ロシア軍 白リン弾投下の映像 シリア空爆

Photo

Photo_2

  

バナは、爆弾の種類を覚えてしまうように、

普通の子どもがしないような体験を数多く体験します。

  

  

つづく

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