パラリンピック〈17〉 「パラアスリート」④ ローポインターとハイポインターの組み合わせ
今日は令和2年2月15日。
前々記事に続いて
「パラアスリート」(山田清機著/PHP研究所)
より引用します。
【車いすバスケ選手 藤澤潔 ふじさわ・きよし】その2
(車いすバスケでは)得点力の高いハイポインターばかりを集
めても、ハイポインターだけで試合をすることはできなのだ。
裏返して言えば、どれだけ優れたローポインターを揃えること
ができるかがチームの実力を大きく左右することになる。
藤澤潔のポイントは、2.0。つまり彼はローポインターであ
り、しかも日本を代表するローポインターのひとりなのである。
(75p)
宮城MAXの藤本とEXCUSEの香西は、車いすバスケ界で
は知らない人のいないスーパスターであった。リオの日本代表
チームの二枚看板であり、ドイツのプロリーグでも活躍してい
るという。無知を恥じるしかないが、それにしてもこのふたり
のプレーには、障がい者という言葉を完全に忘れさせてしまう
ものがあった。
(76p)
すぐに動画で見たくなります。どんな人だろう?
YouTube: 【公式】PARA☆DO!<#79藤本怜央選手>
後日、品川区東八潮(ひがしやしお)の船の科学館の隣にオー
プンした日本財団パラアリーナに、藤澤を訪ねることにした。
このパラアリーナはパラスポーツ専用の体育館であり、完全な
バリアフリー構造になっている。
(77p)
日本財団パラアリーナHPより写真を掲載します。☟
このような施設があることを、知ることができました。
ローポインターがハイポインターの動きを封じることには、1
対1以上の価値があるということになる。藤澤は言う。
「ローポインターがハイポインターに対して絶対的に不利にな
るのは、ゴール下だけです。ゴール下ではビッグマンのハイポ
インターの高さには、絶対に届かない。でも、ゴール下以外で
はローポインターがハイポインターを止めることもできるし、
敵のハイポインターを引きつけて味方のハイポインターにシュ
ートを打つスペースをつくってやることもできるのです」
(80p)
さらに藤澤には、一般的なローポインターにはない武器がある。
それは精度の高い3ポイントシュート(3点シュート)が打て
ることである。一般的なローポインターの最も重要な役割は、
味方のハイポインターがシュートを打ちやすい状況をつくり出
すことだが、自らシュートを決める力をもっている藤澤は、相
手チームにとってこの上ない脅威となる。
(81p)
私は、得点力の高いハイポインターにとって、ローポインター
という存在は、本音では「足手まとい」であり、一方、ローポ
インターにとってハイポインターとは「障がいが軽いから得点
できるだけ」の存在ではないかと勘繰(かんぐ)っていた。し
かし、両者のあいだにはリスペクトが存在していると藤澤は言
うのだ。
(81p)
ここに引用した文章以外にも、じっくりローポインター、
ハイポインターの説明はしてあって、驚きでした。
障がいの重い選手と軽い選手を組み合わせることで、
車いすバスケはとっても面白いスポーツになっていました。
まだつづく。
286pの本ですが、まだ81p。
気長に引用していきます。
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