「燃える海山」⑥/「新十津川物語」は「本物志向」の物語
今日は令和元年11月19日。
前投稿に引き続いて、「燃える海山 新十津川物語8」
(川村たかし著/偕成社)より引用していきます。
「あとがき」から引用します。
「あとがき」を書いたのは、那須正幹(まさもと)さん。
「ズッコケ三人組」シリーズの那須さんです。
新十津川物語全体を通じていえる、川村作品のものすごさは、
舞台の細部にいたるまで、徹底した取材と時代考証によって
構築されているところにあります。それが、ようかん1本の
商品名であれ、ひと口飲んだだけの酒の銘柄であれ、
ちゃんと当時実在したものでないと書かないという
〈くそまじめ〉さで筆をすすめていくのです。
歴史的事件などは多くの資料もそろっていますが、
こうした日常品の名まえ、あるいはさりげなく挿入されている
歌謡曲の流行期間というのは、じつに作家泣かせの事柄なのですが、
川村さんは執念と思える潔癖さで、そのひとつひとつを
調査しておられます。全十巻では四千枚を越えるだろうと
予想される、この新十津川物語は、川村さんの本物志向によって、
はじめて成立していることをわすれてはならないでしょう。
(307~308p)
新十津川物語は、好奇心をくすぐり、
ブログにもたくさん引用したり、引用したことをきっかけに
調べたりしてきました。
たとえばこの記事。☟
※ここでも道草 「雪虫の飛ぶ日」④/「宮田号」と「ノーリツ号」について(2019年10月29日投稿)
日本の自転車の歴史の勉強につながりました。
それは、突っついてもびくともしない、
川村さんの「本物志向」の物語のおかげだったのです。
全10巻の「新十津川物語」
残りあと2巻。
今年中に読めそうです。
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