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2019年11月19日 (火)

「燃える海山」⑥/「新十津川物語」は「本物志向」の物語

  

今日は令和元年11月19日。

  

前投稿に引き続いて、「燃える海山 新十津川物語8

(川村たかし著/偕成社)より引用していきます。

  

「あとがき」から引用します。

「あとがき」を書いたのは、那須正幹(まさもと)さん。

「ズッコケ三人組」シリーズの那須さんです。

  

新十津川物語全体を通じていえる、川村作品のものすごさは、

舞台の細部にいたるまで、徹底した取材と時代考証によって

構築されているところにあります。それが、ようかん1本の

商品名であれ、ひと口飲んだだけの酒の銘柄であれ、

ちゃんと当時実在したものでないと書かないという

〈くそまじめ〉さで筆をすすめていくのです。

歴史的事件などは多くの資料もそろっていますが、

こうした日常品の名まえ、あるいはさりげなく挿入されている

歌謡曲の流行期間というのは、じつに作家泣かせの事柄なのですが、

川村さんは執念と思える潔癖さで、そのひとつひとつを

調査しておられます。全十巻では四千枚を越えるだろうと

予想される、この新十津川物語は、川村さんの本物志向によって、

はじめて成立していることをわすれてはならないでしょう。

(307~308p)

  

新十津川物語は、好奇心をくすぐり、

ブログにもたくさん引用したり、引用したことをきっかけに

調べたりしてきました。

たとえばこの記事。☟

ここでも道草 「雪虫の飛ぶ日」④/「宮田号」と「ノーリツ号」について(2019年10月29日投稿)

日本の自転車の歴史の勉強につながりました。

それは、突っついてもびくともしない、

川村さんの「本物志向」の物語のおかげだったのです。

  

  

全10巻の「新十津川物語」

残りあと2巻。

今年中に読めそうです。

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