「ヘウレーカ!僕はどこから」その3/Y染色体DNAで父系のつながりがわかる
今日は令和元年7月1日。
前投稿に引き続き、昨年の10月31日放映の
「又吉直樹のヘウレーカ! 僕はどこから来たのですか?」より。
今回はY染色体DNAの話。
これは父親が息子に渡す染色体。
男性だけに延々と引き継がれたDNAです。
Y染色体DNAをたどれば、父系のルーツがわかるわけです。
又吉さんのDNAはD1bというグループ。☟
次に篠田謙一先生が見せてくれたのは、
D1グループが、世界のどこに親戚がいるのかを示した地図。☟
円グラフの黄色の部分がD1bグループ。
大陸の周辺部分に分布しています。
篠田先生が言われるには、タイの少数民族が
D1bの発祥の地で、そこから移動して、
日本列島にやってきたグループだそうです。☟
チベットに多いのは、タイからやっと山を越えた少数の
D1bのDNAをもった人たちが、
そこで脈々と生きのびた証だそうです。
日本列島に来るのも海を越えねばならず
たいへんな旅をしたD1bのDNAをもった人たちが
生きのびた証です。
その後の篠田先生の話は特に興味深いので、
聞き書きします。
篠田:例えばですね、今から500年前、コロンブスが
新大陸を発見して、新大陸には
ヨーロッパ人がどっと入ってきますよね。
主に男性が入ってきます。
今、南米の先住民の人たちのDNAを調べるとですね、
(母系の)ミトコンドリアDNAは、
もともと南米にあったDNAが多いんですが、
(父系の)Y染色体DNAは、8割方置換しています。
日本の場合は、そうなっていないのは、
あとから圧倒的に入ってきた稲作農耕をやった人たちが
圧迫していかなかったという姿なんですよね。
DNAを解析することで、歴史上で起こったことが
見えてきてしまうのです。
南米では、主に男性のヨーロッパ人がやってきて征服し、
南米の男性を排除し、南米の女性と交わったということです。
圧迫したのです。
日本の場合は、縄文人が住んでいた日本列島に、
後から弥生人がやってきたが、DNAの解析から、
偏りはないので、緩やかに交わっていったことが
想像できるというわけです。
縄文人のDNAも受け継がれているのです。
ネアンデルタール人のDNAが受け継がれているように。
※参考:ここでも道草 「人類誕生②ライバルとの出会い」その4/現代を生きている私たちにつながっているのです(2019年6月26日投稿)
南米の制服の悲惨さが想像できて辛いところですが、
仲良く過ごす縄文人と弥生人を想像するのは楽しい。
つづく
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