本「話し上手 聞き上手」より4・・・本/この宝庫に日常的にふれているかどうか
今日は8月28日。
仙丈ケ岳の報告は少し横において、
8月24日の続きで、
本「話し上手 聞き上手」(齋藤孝著/ちくまプリマー新書)より
引用します。
面白いもので、人が読んでいるものは自分も読みたくなります。
この傾向は小学生から大学生までみんな同じです。
「おすすめの本を言って」と誰かに勧めさせると、
そのあとなぜか、みな自然に本屋さんに足が向きます。
(95p)
なかなか本が読めない状況なので、
せめて紹介してもらった本ならはずれは少ないから読もうと
思います。
さらにはその本を通して、紹介してくれた人と共通認識を持ちたい、
そして語りたい。そのな気持ちもあると思います。
なぜ他人の刺激が必要かというと、読書は優しい仕事ではないので、
読むのにちょっとした辛さがあるからです。
それを乗り越えるために人に紹介したり、
人から紹介されたりして刺激を受ける。
そうしたコミュニケーションがあると、
辛い読書も続けやすくなるのです。
読書は完全に個人レベルの活動ですが、
そのやる気を支えているのは、
読書をめぐるコミュニケーションだと言えます。
私たちは努めて、ふだんの会話で本の話題を出すべきでしょう。
すると、自然に刺激を受けて本を読むようになります。
(99~100p)
「読書をめぐるコミュニケーション」
いいこと言うなあ。
2学期は映像を使って学習を深めたいともくろんでいます。
ふだんのテレビ番組も積極的に見てほしいと思っています。
読書と一緒で、とにかく番組のことを話題にしていきたいです。
読書をテレビ番組に置き換えていきたいです。
いい文章に出会えました。
聞く力、話す力を左右する漢字力
ここで注目してほしいのは、私たちはそもそもひらがなで
会話しているのではない、ということです。
私たちは無意識のうちに漢字仮名まじり文で会話しています。
(中略)
漢字力が低下していると、だらだらした日常の話し言葉でしか話せない。
あるいは、話を脳の中で漢字に変換して聞き取ることができないために、
話の内容が正しく理解できない、
ということが実際に起きてしまいます。
結局、漢字力が聞く力、話す力にとって非常に大事だ、
ということが言えます。
漢字力といっても、私は何も「百日紅(さるすべり)」とか
「鰺(あじ)」という難しい漢字を覚えろと言っているわけではありません。
そうではなくて、普通に使いこなせなくてはいけない熟語の数を
増やしていこう、と言っているのです。
本に書かれている言葉は、書き言葉の語彙です。
話し言葉の何倍もの語彙が集まっている宝庫です。
この宝庫に日常的にふれているかどうかは、
その人の話を聞いているとすぐにわかります。
学生に話をさせると、読書量がだいたいわかる。
1か月に十冊は読んでいるなとか、
君は一冊も読んでいないだろうなとか、だいたい二分でわかります。
これはスポーツと同じです。
ちょっと運動させてみると、ふだん運動しているかどうかは
息切れ状態でわかります。
本を読んでいるかいないかも、それぐらいはっきりと
話し言葉に出てしまうわけです。これは恐ろしいことです。
知的活動の様子が、すべて話し言葉にあからさまに現れてしまうのですから。
(101~103p)
目の付け所が違うんだよなあ。
本を読んでいないかどうかが、2分話せばわかる。
へ~、話し言葉に現れるのですね。
その視点(聞点?)で話を聞いてみようか?
つづく
コメント